浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「御垂訓」

2022-01-31 23:59:06 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

~ 恩師のご著書「愚か者の独り言」より ~


             講演集 一

          「内在された知恵」

今日のようなお話会も、
ほんとうにあちこち招いていただきますが、
今日はこの場所でこういう話をさせてもらおうとかは
一切私は思って来ません。
全く何も考えないで来ます。

そして長い時は、朝八時からお昼までと、
会場は変わりますが、午後一時から夕方五時までと、
そのあと夜七時から十一時までというように、
日に三回お話をさせてもらいます。

この会場から次の会場へ行かせてもらう道中は、
皆さんと楽しい話をしながら行きます。
何も話すことについては考えません。

皆さんの心の段階に応じた話しが自然と出て来ます。
これは内在された知恵ですね。
そういうことが自然と分かってくるのです。



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「御垂訓」

2022-01-31 00:32:24 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

     ~ 恩師のご著書「愚か者の独り言」より ~


              講演集 一

先の続き・・・

「般若心経」も有難いと言いますけど、あのお経の意味をちょっと説明させて
もらったのです。
「摩訶般若波羅蜜多心経」は「マーハ パニャーパラミターストラ」と言い、
その意味は「心の奥底に内在されている偉大な智慧に
到達する心の教え」ということです。

摩訶はマーハ、偉大、般若とはパニャ、智慧です。
波羅蜜多は「腹を見た」のではなく、パラミター、到達するという意味、
心経は心の教えです。

「観自在菩薩」とは過去・現在・未来を見通す能力を持たれた仏を目ざして
修行されるお方のこと、そのお方が正しい生活を日々深く行じられた時
「行深般若波羅蜜多」なのです。
「照見五蘊皆空度」の照見とは照らして見ること、
ブッダは人間を観察し、人間を五つの部分に分けられました。
色(肉体)、受(感覚)、想(表象)、行(意志)識(判断・理性)。
色は人間の肉体つまり物質的要素で、受想行識は精神的要素、心の作用で
この五つを五蘊といいます。

その五蘊はみな、空なり、つまり実体がない、と説かれています。
その話をちょっとしますと、院主様は突然ハッと正座されまして
「先生は一体何年修行されたのですか」今迄とは
うって変って急に先生と言われたのです。

「いえいえ、私は何も修業はしておりません」と言いますと、
「恥ずかしいことだが、私は坊主をして八十年になるけれど、
先生が今説いて下さったことを知らなかった」とおっしゃるのです。
寺門のプロのお坊様がそれを知らないで素人の私が知るということは、
これは不思議ですね。
日々の生活を正しく行じますと、
こういうことは習わなくても勝手に分かってくるのです。


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