~ 恩師の御著書「講演集」より ~
講演集 一
「成仏されると墓場・仏壇は明るく光る」
先日田舎のお墓をきれいにして欲しいと頼まれて四国へ参りました。
不思議なことがあるもので、昼の日中にそのお墓に行きましたら、
鬱蒼としていて懐中電灯を持って皆お参りしているのです。
では凄い深山かと言いますと、そんなことはないのですね。
平地があって国鉄が通っており、二百メートル程離れた所から
山地になっているのです。
この山はひどく急な山ですけど、ご先祖様というのは亡くなったら
自分の家を見下ろせるようなお墓で、
常に家を身守りながらあの世にいたいという思いがあったのですね。
各宗派によって、いろいろですが、その思いの場所にお墓があります。
そこで私は真の神様に向かって
「どうかこの地域に神の光をお与えください。
この地域に調和と安らぎをお与え下さい」とまず祈らさせてもらいました。
次に霊たち向かって「この山のお墓に執着をもって、このお墓が自分の
住処であると思っておられる諸霊たちよ、よくお聞きください。
私達は本来あの光り輝く天上の世界から地上のこの世界へ自らの
魂の修行に生まれて来ております。しかるに、
この地上に肉体を戴きましたら、
私達はこの肉体の故に数々の過を犯して来ました。
或る時には腹を立て、愚痴も言い、人を謗りもします。
自分にとって具合が悪いと恨んだり、憎んだり、足ることを忘れた
欲望にとらわれて、自分自身の心を苦しめてきました。
しかし、私達は自分の心を苦しめてしまえば苦しめた分だけ
心が重くなります。また心が重くなりますと、その曇りの故に
ほんとうのふるさとへ帰ることができません。
ほんとうのふるさとは、あの光り輝く天上の世界です。
地上に生まれる前に住んでいた世界へ帰ってこそ本当の成仏です。
この地上のお墓とか、仏壇の中とかに心を残されては、
あのほんとうのふるさとへ帰ることはできません」と話させてもらい、
更に「皆様はどうかこの地上から思いを離して、
あの輝く世界に上がって下さい」とお祈りをして経文を唱えますと、
諸霊は皆、天へ上がって下さいました。