恩師のご著書「思いの中に生きる」より
調和と中道
調和とはバランスですね。
両方のバランスがとれたら落ちない。
弥次郎兵衛」(短い立棒に湾曲した細長い横棒をつけ、
その両端に重しを取り付けたもの)、
あれはもうこんな所でもあんな所でも立ちます。
落ちません。
あれはバランスがとれているから落ちないんですね。
あの姿こそ調和です。
そして、自然はすべてそのバランスを保っています。
このバランスこそ神の御意志だったのです。
ですから、私たちも日々の生活でどれだけ自分の心のバランスをとるかです。
苦しみにとらわれていないか。
苦しみの方へ片寄れば落ちますし、喜びに有頂天になれば足元をすくわれます。
まあ昔から「勝って兜の緒を締めよ」という言葉もありますけれど、
勝って「うまいこといった、うまいこといった」と有頂天になりますと、
これもバランスが崩れますし、あるいは苦しみの方にとらわれてしまいますと、
これもバランスが崩れます。
常に足ることを知って中道の道を歩くことこそ、バランスだったのですね。
片寄ることのない弥次郎兵衛を思っていたら間違いありません。
さもないと、どちらに片寄っても、バランスが崩れてしまいます。
~ 感謝・合掌 ~