ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ウィーン版エリザベート

2007年04月20日 | ミュージカル・演劇
というわけで、横浜イッキミから新幹線で直行で、梅田芸術劇場のウィーン版エリザベートを見てまいりました。
今回の来日公演、東京はコンサートバージョンだということで、やむを得ず大阪まで観に行くことに。まあウィーンに行くことを考えれば近いもんですから・・・
徹夜明けで寝てしまうのでは、というのが一番の心配でしたが、LotRイッキミで結構寝ていたのが良かったのか(笑)モカドリンクを飲んだらちゃんと起きていられました。(隣の人が寝ていた・・・(汗))
まだウィーンで見たことはないのですが、昨年シュトゥットガルトで一度観ているので、日本との違いにはそれほど驚かずに見られたかなと思います。革命家三人組やツェップスが出て来ない、というあたりとか。
と言っても演出はやはりシュトゥットガルトともかなり違いましたね。私は東宝初演の演出が一番好きなんですが、ウィーン版はシュトゥットガルトよりは好きだなと思いました。照明が印象的なシーンなどもかなりありましたし。
あと、シュトゥットガルトでは当たり前ですが字幕がありませんでしたから(笑)日本版の翻訳との違いなども「ほうう」という感じで興味深く観ました。
エリザベート殺害の凶器ってヤスリだったんですか・・・字幕で初めて知ってちょっとびっくりでした(汗)そうか、あの橋みたいのはヤスリだったんですねえ・・・
へえ~、と思ったのは、エリザベートが最初からトートを「死」と認識していたところですね。日本版だと最初はよくわかっていない感じですよね。
これは翻訳ではないですが、トートとルキーニが対立するような様子を見せていたのも面白かったですね。

キャストは、エリザベートだけが1stキャストではないRuth Krausさんで、あとは1stのキャストだったようでした。
Ruthさんは歌はものすごく上手かったですが、演技的に今ひとつピンと来なかったかな・・・。シュトゥットガルトの強すぎるエリザベートよりは良かったですけど(汗)まあ、席が遠くて表情がよく見えなかったのはあるかもしれませんが。
個人的に、一路真輝さんのクールなエリザベートの解釈が好きなもので・・・日本人好みというのはあるかもしれませんけど。
あ、精神病院のシーン、シュトゥットガルトもそうでしたが、途中からエリザベート一人になって、エリザベートの独白、というかたちになるんですね。なんだか最後に「あなたと同じよ」と言うところでヴィンディッシュ嬢の姿がないのは寂しいような気がしてしまいます。このシーン好きなので・・・
Mate Kamarasさんのトートはさすが~。上手いですねえ。カッコいいし。
でも個人的にはシュトゥットガルトで見たHaldorさんのトートがベストな私・・・(超少数派ですな・・・もう二度と見られるかどうかもわからないし(汗)Haldorさんはまだベルリンでヘルベルトやってるんでしょーか・・・)
Bruno Grassianiさんのルキーニは、エキセントリックさがあまりなくてインパクトには欠けるのかもしれませんが、カッコイイから好きです(笑)歌も上手いし、素直に観られるルキーニかも。
あ、日本語歌詞上手くてびっくりでした~。イタリア人には日本語って発音しやすいとか?
ルドルフのLukas Permanさんは、若くてカッコイイ上に熱演で、なかなかのルドルフでした。でもルドルフは井上芳雄くんがベストですけどね、個人的には。
ゾフィー役のChrista Wettsteinさんも良かったなあ。最後のシーンはじわっと来ました。今回のキャストの中で一番感動したかも・・・
ゾフィーと言えば(?)フランツ・ヨーゼフに女を、の陰謀のシーンのチェスの演出、皆さんステップがあまりにも見事で、フツーに見られてしまいました(汗)シュトゥットガルトで観た時は、大の大人がスキップしながら移動しているのがかなり笑えたのですが・・・
ゾフィーは今回の方の方がいいな、と思うのですが、シュトゥットガルトの方の方がコミカルさはあったような気がしました。かなり若い人だったしなあ・・・(あれ、もしかして私ドイツ語版だとゾフィーが結構好きなのかも?)

演出的には、前にも書きましたが、東宝初演には及ばないもののシュトゥットガルトよりはずっといいな、という印象でした。
その中でも、Hussのシーンの演出はちょっと印象的でした。だんだんテンポが速くなっていくのが怖い感じで・・・。
ただ、終わり方があっけなかったかな。東宝版のように「闇が広がる」につながるような感じだとかなり印象が強くなるのですが。
「ミルク」も、東宝初演には及ばないものの(汗)なかなか良かったです。

衣装も素敵でした。
そうそう、人間たちの衣装は、男も女も、デザインにかかわらず、体の左側に、縦に緑色の樅の葉のような、海藻のような、ギザギザが入っていたのですが、あれって何か意味があるんでしょうか。あるんでしょうねえ・・・ちょっと気になりました。

そして、今回一番素晴らしい! と感動したのは、実はオケでした~。すごく上手かった! 開演前の練習の音からして違いましたからね。クラシックのコンサートを聴きにきたような感じで・・・。ソウルの「ミス・サイゴン」のオケも上手かったですが。さすが音楽の都ですね、ウィーン。こういうの聞くとやっぱり一度はウィーンで見ないとね、と思ってしまいます。
トランペットとか、音外したり音程が合ってないようなところもあったのですが、それでも音がもう全然違いましたから、多少外したのなんか許せてしまいました。(○劇のオケで金管が音を外すとものすごく萎えますが・・・(笑))
ハンガリーの戴冠式のシーンでしたっけ、トランペットのソロの人が舞台の上にまで出てきて吹いていたのもカッコ良かったな~。ちょっとびっくりしたけど(笑)
ただ、ロック調のナンバーの時のドラムのノリがイマイチ・・・。すごく上手くて音も綺麗だったんですが、見事に指揮どおりでツッコミとかタメのようなノリに欠けてました。テンポもゆっくりめだったしなあ・・・。Mateさんとか歌う人はちゃんとロックしてたので、そこだけとても残念でした。
でも、パーカッションも上手かったですねえ。Hussなんか素晴らしかった! だんだんテンポが早くなるのが怖いくらいで。ここはテンポが超正確なのが効いてましたね~。

とまあいつものごとくとりとめのない感想ですが・・・
まあ一度は観てみたかったので、観られて良かったと思いました。いつか本場でも見てみたいですね。
でも今は「エリザベート」よりは「モーツァルト!」な私ですが・・・再演楽しみです。
その前にコマ劇場のコンサートバージョンですね~。

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