ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ガラスの動物園

2012年05月01日 | ミュージカル・演劇
実は一度も見たことがなく、キャストも良さそうなので見てみるかな・・・と見てきました。
(一度も見たことがないと言っても、同行のRちゃんによると高校の演劇部でやってたのを見たことがあるはずらしいですが・・・全く記憶にない・・・(汗))
さすがずっと上演を重ねられている名作、怖いくらいに現代にも通じる内容でした。過去の栄光に捉われて、自分の思い通りにならない子どもたちを理解することができない母親も、自信がなさすぎて外の世界に出ることができない娘のローラも、現代でもそのままありそうな設定でしたね。だからこそ今演じても全く色あせないのでしょうね。
1930年代には、母親が家計を支えることも現代よりは難しく、男の子に頼るしかない度合いもより強かったのかもしれませんが、それでも現代でも簡単に似たような状況になってしまうのは簡単なことだよなあと・・・意外に昔からあまり進歩してないんだな、人間て・・・と思いました・・・
ローラと母親はどうなってしまうんだろう・・・と胸が詰まるような思いでした・・・
ただ、テネシー・ウィリアムズは、ローラのモデルとなったらしい精神障害がある実姉を、成功してから引き取って最後まで面倒をみていた、ということを知って少し救われました。(その時にはロボトミー手術のため重い障害を持ってしまっていたそうですが)トムも、もしかしたら成功してローラの面倒を見てあげたかもしれないなと、そう思ったら少しだけ救われた気がしました。
特に二幕のローラとジムの会話が秀逸ですね。ジムは悪気もなく特別な好意でもなく、簡単に話しているだけなのに、ローラにはそれが唯一の救いのように嬉しく思えてしまう。でも結局は自分とは違う世界の人だと思い知らされる残酷な結末・・・多分こうなるだろうな、と予測できただけに、嬉しそうなローラが痛々しくてなりませんでした。
深津絵里さんは内気すぎるローラをイメージどおりの好演でした。やっぱ上手いですね。しかし小声でしかも劇場に通るように喋るのって結構大変な技術だよな、と思いました。
立石涼子さんの母親も、子どもの気持ちを顧みない無頓着な人に見えて、彼女なりの深い愛情があるのだなと感じられて良かったです。
瑛太さんのトムは、ちょっとキャラクターがはっきりしていなかったかな・・・語り手でもあるというフラットな立ち位置が、今ひとつトムの気持ちに感情移入しづらくしていたのかかもしれません。もっと語り手のトム(未来のトム)と物語の中のトムの演技が違っていてもよかったのかなと。
あと、語り手として話をひっぱって行く吸引力?もいまひとつだったかな・・・映像では上手いなーと思うんですが、舞台での見せ方はまだ経験不足というところかな、なんて思ってしまいました。
扉がいくつもある一つの大きな部屋のようなセットは、広い舞台で上手く閉塞感を出していたと思います。ところどころ、セットと同色の灰色っぽい肉襦袢のような衣装をつけた女性ダンサーたちが登場するのも、広い舞台を活かした演出だなーと思いました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« テキサス | トップ | 僕達急行~A列車で行こう »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ミュージカル・演劇」カテゴリの最新記事