リアル二刀流の歯車は、ふたたび動き出した。
地道な努力の末に、実戦の場に舞い戻った佇まい。
去る6月16日、本拠地で行われたパドレス戦。
大谷翔平投手は先発登板。
1イニング28球だけだったが、663日ぶりのマウンドに立つ。
そこから約1か月で3試合に登板、4イニングを消化。
徐々に1登板あたりの回数も増やしている。
先発投手としてのギアも上がって来た感じ。
一方、打者としても活躍。
ナショナル・リーグトップの30本塁打とOPS1.015を記録。
パフォーマンス強度を落とさず・・・。
恐怖の1番打者の存在価値を示し続けているようだ。
2005年にナショナル・リーグ最多勝を獲得したOBが語る。
改めて特別な存在だと気づかされるね。
そう言って目を丸くしたとか。
特筆すべき要素はホームゲームで1番打者を務めていることだね。
初回の投球を終えてから息をつく間もなく打席に入る。
その流れを「普通じゃない」と評したようだ。
例えば、1イニングで25球から30球ぐらいを投げる。
そんなマウンドもあるかもしれない。
そうなると、打席に立つまでにほとんど呼吸を整える時間はない。
決して俺を彼と比べるわけじゃないけど・・・。
自分もDH制がない時代のナショナル・リーグでプレーしていた。
だから投げてから打席に入る感覚は分かるんだ。
俺は三塁打を打った後に、疲れ過ぎて・・・。
マウンドでサインすらまともに見られなかった。
そんな時があったぐらいだった。
実体験をもとに、投打二刀流を当たり前にこなす大谷。(続く)