弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

「事務官」トップに 指図をされる「裁判をしない 裁判官」

2024年05月12日 08時59分08秒 | 裁判

昨日の問題の正解は、
③ そもそも最高裁事務総長は裁判官ではないから。
(写真)裁判所法抜粋

あまり知られていないが、最高裁事務総局のトップである事務総長は、裁判官の身分を離れて裁判所事務官になるのが慣例である。
他方、その部下であり、合計数十人にも上る局長・課長・局付たちは、裁判官の身分を有し、辞令上は、裁判官経験年数によって東京高裁判事又は東京地裁判事若しくは判事補となっている。
ちなみに、各高裁の事務局長も裁判官(辞令上は各高裁判事)である。

要するに、裁判所事務官の高位ポストを軒並み裁判官が奪っていると言えなくもない。
というよりも、本来は事務官のやるべき仕事を、わざわざ裁判官の人数を割いてまで、司法官僚として差配しているというのが実情と言うべきだろう。

ところが、最高裁事務総局の「裁判をしない裁判官」の中には、現場の裁判官の上司であるかのように勘違いし、指示を飛ばし、会議を招集し、時には休廷させてまで最高裁に呼び集める者もいる。

私に言わせれば、裁判所組織内の「下克上」である。

新任判事補の採用難や中堅判事の中途退官の責任を取って、現場、特に地家裁支部の裁判官に戻ってもらうのが良いと思う。