きまぐれ発言

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身近だった「トノサマガエル」が消えた 

2014-06-26 06:34:15 | 政治関係

身近だった「トノサマガエル」が消えた        (2014-06.26.)

 滋賀県彦根市の地方気象台で4月「トノサマガエルの初見」が観測された。此の観測が記録されたのは、実に10年振りの事だ。全国各地の気象台は、「ソメイヨシノの開花」や「ウグイスの初鳴き」など、四季折々に応じて動植物の観測もおこなっている。

しかし、トノサマガエルは環境相のレッドリストに「準絶滅危惧種」に指定されるまでに減少しており、既に観賞対象から除外している気象台や観測所もある。彦根は久々の”再会“に湧きあがったが、トノサマガエルはすっかり「身近な生き物」ではなくなっている。

 彦根地方気象台がトノサマガエルの初見を記録したのは、今年4月30日である。男性職員が、気象台から約2キロ離れた水田脇を歩いていたら、胴体の黒い斑点などからトノサマガエルと確認された。

 同気象台は、昭和28年(1958年)からトノサマガエルの初見を観測している。平成16年までは、昭和51年(1976年)を除いて毎年3月下旬から5月上旬にかけて、トノサマガエルの初見が記録されている。

 しかし、最近は気象台周辺でも、宅地開発で水田が減ったり、用水路もコンクリートで固められたりで、明らかに生息数が激減していると言う。トノサマガエルの減少は全国的な問題になっており、平成24年度には環境省のレッドリストに「準絶滅危惧種」として新たに記載されたほどだ。

 彦根気象台では、動物ではヒバリやウグイスの初鳴き日、トノサマガエルや燕・モンシロチョウの初見日など11種類の11現象を、植物はウメやツバキの開花日、イチョウの発芽日や落葉日など12種類の16現象を観測している。

 気象庁によると、トノサマガエルの観測を続けているのは全国58ある気象台・測候所の内24施設にとどいまっている。平成23年には、大阪管区気象台や京都地方気象台は観測対象から除外した。

 身近な動植物の典型例として、生物季節観測の対象に選ばれた筈のトノサマガエル。この観測を通じて、何時の間にかすっかり身近な存在ではなくなっている事にきずかされる。

都市部を中心にますます季節感が希薄になって行く環境の変化を警告している様に思える。

(えびなたろう)