きまぐれ発言

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行き詰まる中國、習政権「悪夢の5月」 

2014-06-14 09:20:00 | 政治関係

行き詰まる中國、習政権「悪夢の5月」        (2014-06.14,)

 5月22日、中國新疆ウイグル自治区ウルムチの朝市で起きた史上最大の襲撃事件は国内外に大きな衝撃をあたえた。其れに先立ち5日には広州市でもウイグル人の犯行とされる襲撃事件が発生。12日には同自治区のホータンで警察署に爆発物が投げ込まれた。政権発足以来、習近平国家主席が唱える「厳打高圧政策(厳しく打撃し、高圧な姿勢で臨む)政策」の下でウイグル人に対する弾圧は、かつてないほど厳しく成って来たが、其れが逆にウイグル人のより一層の激しい抵抗をまねいた。弾圧すればするほど、受ける抵抗も激しくなると言う、強権政治の深いジレンマに、習政権ははまっている。

 10万人の武装警察を同自治区に送り込み、事実上の厳戒態勢を敷いても22日の大規模襲撃を防ぐことはできなかった。「厳打高圧政策」は完全に破綻している。習主席の指導力にたいする疑問が政権内に広がる事もよそくされ、彼の政治威信は大いに傷付く事になろう。ウイグル人との泥沼戦いでの最大の敗者は習主席自身なのである。

抵抗しているのはウイグル人だけではありません。今月12日に四川省で。4日後の16日に安微省で爆発テロが行われている。

 また、外交的にも習主席は大変な苦境に立たされている。アメリカのケーリー国務長官は「中国の攻撃的な行動を深く懸念している」と中國を名指しで批判。16日にはカーニー大統領報道官は記者会見で、中国の一方的な行動を「挑発的だ」改めて批判し、ベトナムとの領有権争いは中国側に原因があるとの立場を示して居る。

 21日から上海で開かれている、「アジア信頼醸成措置会議」では中国が主催国で、習主席も開催国の代表として「アジアの安全はアジアの人民が守らなくてはならない」と演説した。

 そうして、アメリカの影響力を排し、自国主導の安全保障体制作りを進める「新アジア安全観」を提唱したが、同調する国は一つもなく、共同声明にも盛り込まれる事も無く、将に中国は孤立の状態に置かれている。

 この様な習政権の強硬路線は、時代に逆行するもので、何処からも賛成が得られない状態では長く続くとは思えないと思う。

(えびなたろう)