きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

GDP世界第2位の中国との付き合い

2011-01-23 18:20:08 | Weblog
GDP世界第2位の中国との付き合い      (011.01.23.)

実質国内総生産(GDP)が日本を抜いて、世界第2位に成る事が、決まった中国だが、あれだけ人口が多い国であるから、早晩抜かれる事は、日本も覚悟の上であったと思う。
人口が13億人とも14億人とも言われる中国では、まだまだ日本と比べれば国民の平均所得は10分の1にも満たない、といわれている。

この事は、中国における富の配分が、非常に偏っており、貧富の格差が現在も拡大の一途を辿っているようである。
世界銀行による調査でも中国の富の格差は、アメリカの5%の人口に60%の富が存在すると言うデーターよりはるかに進んでおり、1%の家庭が41%の富を所有していると言われている。

所得配分の不平等を示すジニ係数では(0から1の間の指標数で、ゼロに近いほど格差が少ないことを示す)0,4を超えると社会的警戒ラインとされているが中国では既に0,47と警戒ラインを超えている。
国家発展改革委員会のマクロ経済研究員教授によればジニ係数は00年に0,4を超えその後も上昇を続け、最早「限界に達している」と懸念を示している。

また、北京大学の教授によると、中国の都市住民1人当たりの所得は農村住民の3,3倍、業界間の賃金格差は15倍、上場国営企業の高層管理者の収入は一般従業員の18倍、社会平均収入の128倍にも達していると言われている。
そして、「中国の金持ちは市場競争で成功を収めたのではなく、権力、略奪、独占によって富を築き上げたのだ」と教授は指摘している。
中国の富は共産党や政府、国有企業などで特権階層に集中しており、多くの社会問題はこの富の配分の不平等に由来すると言われている。

中国は市場経済化路線で国有企業改革が進んで来たが、08年の世界的な金融危機以降、景気刺激策として地方政府や国民企業への財政投入が急増してきた。政府の計画的な資源配分は、市場メカニズムの働きを制限していると教授は指摘し、その結果、現在の中国の経済情勢は「国進民退」(国有企業が躍進、民間企業が後退した様子を呈していると言われている。

中国の著名なエコノミストは中国の収入格差は権力への牽制が欠如した社会制度によるものだと指摘した。「権力への牽制が働かない社会では、権力者はほいしいだけもらい、富の偏在、貧富の両極化は不可避なものとなる」と語っている。

この様な状態は、中国の体制に改革と言う変化が起こらない限り格差が、緩和される事は考えられない。
従って、もしかすると其れまでに、大きな社会的変革が生じ、その影響が日本へも悪い影響が無いとは言えないし、また、何時変革が起こっても不思議ではない状況をかん考えれば、ある程度の用心をして、付き合う必要があるのではないでしょうか。
(えびなたろう)