きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

ガバナビリティーの無い政府の暴走か

2009-05-30 12:08:43 | Weblog
ガバナビリティーの無い政府の暴走か        (009.05.30.)

09年度の補正予算が衆議院では可決、参議院では否決、結局衆議院の議決を優先することで、昨日成立することになった。

参議院での論戦では、財政赤字の中で、国として仕方なく更なる借金を覚悟の上で資金投入するのであるから、景気対策として「効果のある、」また未来に向けて「効用のある」使い道を俎上に載せて議論したのであるが、結局与党の多数による力だけで、押し通されてしまった。

各紙の論調の中でも、今急いで、借金をしてまでやる必要もない投資や、当面使い道も考えていない、投資について批判的な項目もあり。私は、与党もある程度野党の言うことも聞き入れて、修正すれば、国民も納得すると思うのだが、論議の内容に全く聞き入れる事無く、一点の修正も行なわずに、力の論理だけで押し通してしまったことは、我が国の先行きに不安を覚えざるを得ないのである。

麻生内閣の軽さは、厚生省の分割論にも言えることである。国民生活に直結する分野で確かに山積する問題を抱え厚生省を医療・年金・介護を所管する「社会保障省」と雇用や少子化等を所管する「国民生活省」に分割・再編する案で、我々も今の行政機構がもっと国民生活に直結した、気持の通った、それこそ「安心社会実現」の政治機構にすることには大歓迎であるが、麻生総理は読売新聞の渡辺氏の助言をすぐさま取り入れ、与謝野財務・金融・経済相に検討を指示、唐突な指示に政府与党でも「寝耳に水」と異論が続出、関係する6閣僚も戸惑いを隠せず、反発意見もあって、首相はあっさりと考えを翻し「分割には最初から拘っていない」と言い「既成事実のごとく話すのは止めた方がいい」とまるで責任が回りに有るような口ぶりである。

麻生総理には、本来国民の信任を受けていないし、ガバナビリティーも無い政権が国の将来のことまで、勝手に思いつきでやられることは、非常に危険なことである。

今回の補正予算にしても、現状如何しても必要な施策のための資金投入ではなく、選挙を目前にして、バラマキ型のもので、先ず15兆円と言う膨大な金額を掲げ、この為に「各省庁金額を積み上げろ」と言うものであるから、国民にとっては、不安極まりない補正予算である。

麻生総理にすれば、9月までは総理であるから、「何でもう遣ってしまえ、後は知らない」という気持かもしれない。国民はこんな麻生総理と“心中”するのは真っ平ごめんである。
一刻も早く政権交代して、未来に明るいビジョンを示してくれる政権を希望したい。
(えびなたろう)