きまぐれ発言

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「高度な自治」を求めるチベット問題

2009-03-11 10:04:31 | Weblog
「高度な自治」を求めるチベット問題       (009.03.11.)

チベットと言う国は、ヒマラヤ山脈の北側に広がる海抜4,500メートルのチベット高原でラサを首都とした独立国「チベット」であった。

ところが、中国の毛沢東が圧倒的な武力を送り込み1959年指導者であったダライ・ラマ14世をインドに追いやり、亡命したダライラマは、北インドのダムサラにチベット亡命政府を樹立したのです。

従って3月10日はその日を記念して、ダムサラで記念の式典が行なわれた。
ダライ・ラマ14世は記者会見で、「私より権限をもつ政治指導者として、サムドン・リンポチェ氏を亡命政府首相」を紹介し、今後は政治的権限の大半を委譲する事を明らかにした。

そして、中国との交渉の中で、チベットの独立求める事をせず、「高度な自治」の実現を求める妥協案を表明した。そして、「チベット人と中国人が平等で平和的に共存する社会を目指す」ことを訴えた。

この案に対し、中国側がどの様な返答をするのかまだ、明らかになっていないが、チベット人が永年中国に反発してきた問題点は。
1)人権が無視されている(刑務所で拷問されたり、マトモな裁判なしで死刑にされた。
2)政府が漢民族の移住を奨励しチベット人を少数派にしようとしている。
3)チベット人に不利な扱いをしている。(上層部を中国人が支配)
4)信仰の自由がない事。
5)自然環境破壊が酷い事。(核廃棄物の捨て場になっている等)
等々で、元々チベット人の国でありながら、チベット人の自治を認めず、国家の開発と銘打って、自然を破壊し、烈しい乱開発が行なわれてきたのです。

チベット人はダライ・ラマ14世を信仰しきた穏健な民族で、争いを好まないことから、中国との交渉の中で、「独立を求めず」、「チベット人と中国人が平等で平和的共存社会を目指す」と言う譲歩した妥協案を示している。
中国政府は、何処まで理解を深めるか人道的な見地から国際的にも世界は大きな関心を持って、見守っているところである。

此れが、実現できれば、中国もやっと世界の大国として認められる事になるのだが、先日行なわれた全人代の会議の中で、温家宝首相の演説と、一方において国防費の増大傾向を示す矛盾は、まだまだ理解を示すところまでは長い話し合いの時間が掛かるのではないかと思われる。
(えびなたろう)