きまぐれ発言

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米国の「北朝鮮テロ指定解除」を発表

2008-10-13 12:58:33 | Weblog
米国の「北朝鮮テロ指定解除」を発表       (008.10.13.)

先週の11日(土)に麻生総理が浜松のJC幹部と懇談していた午後11時過ぎ、アメリカのブッシュ大統領からの電話で、北朝鮮のテロ指定解除を知らせて来た。

なぜ、この時期に慌しく指定解除を行なったのか、明らかではないが、国務省の正式発表の30分前に日本の首相に電話で通告してくるなんて、日本の外交も舐められた物である。

北朝鮮のテロ支援国家の解除では、北側の検証手続きの不備から、アメリカも「国際基準の検証」を掲げて解除に踏み切らず延期をしていた。

日本も、核に対する申告の不備と共に拉致問題への対応に付いても全く調査の意思を示していない事から、指定解除には反対し延期することを表明していた。

特に、拉致被害者家族にとっては、指定解除の条件による大きな進展を期待していただけに、「進展の無い内は、絶対に解除しないで下さい」とブシュ大統領に直接お願いをし、大統領も、「拉致被害者の問題は、絶対に忘れはしない」と確約を得ていたのである。

他の各国も、指定解除の延期は妥当な処置との考えで、北朝鮮もそのうちには譲歩をして来るものと、期待していたのである。

しかるに、北朝鮮が取った態度は、指定解除の延期に猛反対を表明し、逆に核の無能力化作業を中止してプルトニュームの抽出作業を開始する態度を示したのである。

ブッシュ大統領の、残り少ない任期中に、少しでも進展したいと望む気持に付け込んで、北側が逆に寧辺の再処理施設の運転を再開する拠に及んで、遂に屈し、大幅譲歩に転じたものと思われる。
これには、拉致被害者家族にとっては、大変なショックを受けた様である。

北朝鮮の「瀬戸際戦術」はなかなかしたたかで、相手の弱みに付け込んで、とことん自己主張で突っ張る、それで相手が少し引き下がると、引き下がった所から、再び自己主張の突っ張りが始まり、思うように成らないと、再び脅しの作戦を取ってくる。

今回の指定解除で北朝鮮は、一旦歓迎の意向を示しているが、この次は指定解除に伴った行動として、「経済制裁の解除」を要求してくる事は目に見えている、特に6カ国協議の中では、「食料支援」や「エネルギー支援」を要求して来る事は目に見えている。

そして、これがやって貰えないと、再びごねだし、寧辺稼動や、ミサイル発射実験等々の手段をチラツカセル行動で揺さぶりを掛けてくる事になるでしょう。

麻生総理も僅か10分間のブッシュ大統領との電話で、了解する態度を表明しているが、いくら同盟国でも、主張することは主張しないと、アメリカ一辺倒では舐められるのも無理も無い事だと思う。
(えびなたろう)