2024年3月30日(土) UNRWAの不祥事
国連組織のUNRWAで起きた不祥事の波紋が、今も続いている。
◎UNRWAとは
UNRWAとは、国連の組織で、以下の頭文字を採った略号である。
(参照:国際連合パレスチナ難民救済事業機関 - Wikipedia.html)
United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the near east) 邦訳:国連パレスチナ難民救済事業機関)
以下は、ロゴマークである。
*この機関は、1949年に設立(活動は50年から)された国連機関で、機関名にあるように、近東のパレスチナ難民に対して、支援事業を行うのが、目的である。
1948年のイスラエルの建国後の翌年に、UNRWAが設立されており、パレスチナ地域全体での、ユダヤ人とアラブ人の共存を指向していたと思われる。
*対象地域と対象者数
UNRWAの対象地域は、下図に示す、パレスチナ(ガザ ヨルダン川西岸)、ヨルダン レバノン シリア 地域の、500万人と言われる、パレスチナ避難民。
*この機関の活動の実態は、いまいち、はっきりしないのだが、主な事業は以下のようだ。
教育 保健 救済 福祉などの、援助と人間開発を行っているようだ。
UNRWAは、国連機関としては最大の組織で、2.9万人が所属しており、教育が最大の事業で、職員の8割を占めるという。
下図は、ネットにある教育支援風景。
◎不祥事の状況
普段は、表にでないUNRWAの活動だが、不祥事があって、表面化している。
不祥事の内容だが、昨年10月7日の、ハマスのイスラエルへの一斉攻撃に、UNRWAの職員が12人(12000人中)が関係していたようだ。
(参照:日本・アメリカなどUNRWAへの資金拠出停止相次ぐ 国連機関スタッフ ハマスのイスラエル攻撃関与疑いで _ NHK _ イスラエル・パレスチナ.html)
◎拠出金停止と再開の動き
各国の分担金の拠出額は、アメリカ、EU委員会などの他、日本も、相応の額を拠出しているようだ。
2022年の拠出金総額は、117千万$で、1位のアメリカが34千万$、2位のドイツが20千万$、3位のEUが11千万$で、日本は6位で、3千万$という。
(参照:日本も資金拠出停止 UNRWAとは_ ガザの「命の支援」の行方は [イスラエル・パレスチナ問題]:朝日新聞デジタル.html)
・不祥事が起こった事で、以下のように、各国が停止を表明している。(赤字は再開表明国)
アメリカ カナダ イギリス オーストラ4リア イタリア フィンランド オランダ スイス ドイツ 日本
スエーデン など
・ガザ地域での人道的な窮状に鑑み、拠出金再開の動きもある。
再開表明国 カナダ スエーデン オーストラリア フィンランド
・日本の動きだが、UNRWAのラザリニ事務局長が訪日し、上川外相と会談。再開の方向で調整されるようだ。