つれづれの記

日々の生活での印象

大相撲夏場所が終わって

2018年06月07日 14時14分49秒 | 日記

2018年6月7日(木) 大相撲夏場所が終わって

  

  先月の5月13日(日)から、大相撲夏場所が、国技館で始まり、27日(日)の千秋楽で終了した。昨年秋の暴行事件以来、大きく揺れた大相撲界だが、初場所、大阪場所が行われ、2月の理事の改選も終わって、なんとか、新体制が整ってのスタートである。

今場所は、期待の横綱稀勢の里、大関高安がそろって休場とあって、興味がやや薄れたが、大関取りが期待される、関脇栃の心の豪快な力技や、初めて三役にあがった遠藤の相撲ぶり、ユニークな相撲が魅力の阿炎などが注目された。

  結果は、横綱鶴竜が、6回目の優勝で悲願の2連覇を達成した。14日目に、勢いに乗る栃ノ心を交わし、千秋楽の横綱対決で、白鵬を破ったのは立派だが、10日目の琴奨菊戦では、立ち合いで大きく変化して勝ちを拾ったのは、横綱としては、到底、頂けないところ。

最大の話題は、初場所で平幕優勝(14勝1敗)し、春場所でも2桁を確保した、関脇栃の心の大関昇進がなるか否か、と言う事だが、今場所も、怪力の漲る堂々たる相撲が目立ち、13勝2敗の成績である。中でも、12日目、横綱白鵬を、28戦目で、初めて破った力の入った大一番は、歴史に残るものだ。この所、やや弱くなっている白鵬だが、大きな壁の役を果たしてくれたと言えよう。

  栃ノ心は、初場所以来、連続して三賞を獲得している。

      初場所 :殊勲賞 技能賞

      大阪場所:殊勲賞

      夏場所 :敢闘賞 技能賞 

  当ブロブでは、大相撲の最近の話題について、2回に分けて、今回は、勝負審判と、栃ノ心関の大関昇進について取り上げる。そして、次稿で、この所のびのびになっていた、女人禁制に関する話題としたい。

  

◇勝負審判

  場所中のNHKのBS中継を、2時台という早い時間で視ていたら、下っ端の序二段の取り組みの映像で、見た事のある審判が映った。風貌は貴乃花親方のようだ。今回から審判部所属となった親方の、出直しの風景である。

観客にとっても、豪華な審判員を見られるのは嬉しいことであるとともに、貴乃花部屋の多くの若手達にとって、親方の前で相撲を取るのは、大きな励みとなるだろうか。

  ネットで調べたら、協会の審判部には、24名の年寄が所属していて、勝負審判を務めている。現在の勝負審判は、筆者の解る範囲内で、現役時の最高位順に、年寄名(四股名)で上げると、以下のようだ。

    横綱:貴乃花(貴乃花)

    大関:藤島(武双山)、玉の井(栃東)、大鳴戸(出島)、二子山(雅山)、

           九重(千代大海)、浅香山(魁皇)

    関脇:阿武松(益荒雄)、錦戸(水戸泉)、西岩(若の里)、友綱(旭天鵬)

    小結:追分(高見盛)

など、錚々たる人気力士が多い。 

貴乃花一門に所属する阿武松理事が、協会の審判部長を務めているが、貴乃花親方が、勝負審判の最下位のランクにいるという、面白い構図である。 

  勝負審判は、4班に分かれて、取り組みが下位から上位に進むにつれてローテーションするようだ。詳細はややこしいので省略するが、TV中継では、十両土俵入りの後や、幕の内の前半、後半で、勝負審判が交代するようだ。

物言いがあると、土俵上で5人の審判員が協議し、審判長が、場内アナウンスで結果を報告するが、後半の取り組みの審判長を務める阿武松審判部長の説明も、かなり板についてきている。

 

◇栃の心の大関昇進

  大関昇進の目安は、三役以上の地位で、直近の3場所通算で33勝と言われる。 栃ノ心は、通算で37勝したが、優勝したのは平幕(前頭#3)で、その後、関脇となっている。これらを加味し、文句なしの成績を挙げた栃の心が、5月30日の、名古屋場所の番付編成会議と臨時理事会で、大関に推挙された。 大関昇進を伝える2人の使者(名古屋場所担当の出羽海理事、大鳴門審判委員)を迎えた伝達式で、師匠の春日野親方と並んだ関取の口上は以下のように、お決まりの四字熟語ではない、前例のない素晴らしいものだった。

   “謹んでお受け致します。親方の教えを守り力士の手本となるよう稽古に精進します。 本日は誠にありがとうございました。”(下線は筆者)

    

          春日野親方(写真右)の横で、使者に口上を述べる新大関     (ネット画像より) 

 日本語もまだ十分とはいえない中で、猛練習した新大関は、力強く口上を述べている。

 春日野親方(関脇 栃の和歌)は、最初、この口上の文言に反対したと言う。この様な身内の話は、日本的な雰囲気としては、やや、そぐわず、親方は、少し恥ずかしかったのではないか。が、関取はそれを押し切ったようで、親方も、最後は、愛弟子の素直な気持ちを汲み取って受け入れたようだ。  

栃ノ心の気持ちとしては、日本や日本語も、大相撲も知らずに、カフカス(コーカサス)地方から、海を渡って入門して以来今日まで、親方は面倒を見、育ててくれた訳だ。 そして、一旦は、小結まで上ったものの、その後の成績が振るわず、5年前、前頭の時に、取り組みで膝の大怪我をしてしまった。この結果、3場所連続で休場することとなり、なんと幕下まで陥落、相撲を止めようとも思ったという。

そんな時にも、励まし支えてくれたのが、春日野親方であり、部屋の仲間達という。こんな感謝の気持ちが、前述の口上にもにじみ出ているだろうか。

 

因みに、これまでの大関昇進時の口上の例をネットで調べると、以下の様なものがある。

                                             (【大相撲】大関昇進伝達式の口上あれこれ  参照)

     鶴竜   :お客様に喜んでもらえるような相撲

     春日富士 :全身全霊で相撲道に精進

     武蔵丸  :日本の心をもって

     若乃花  :一意専心の気持ちで

     貴乃花  :不撓不屈の精神を忘れず 

  先日、グルジアに里帰りした新大関の様子が報道された。妻子を残している故郷への凱旋である。首都トビリシに、土俵を作って欲しいと、大統領に嘆願書を出すとか。

グルジアは、ロシア語読みだが、国連では、英語読みのジョージアが多いという。日本の外務省は、平成27年(2015)以来、国名の呼称を、ジョージアに変更している。  

 極めて遅咲きの新大関だが、正攻法の剛力を発揮して、大相撲の内外の人気アップと国際化に、大役を担ってくれることを期待したいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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