Someday-Somewhere!

海、川、山。自然の中で遊ばせてもらいながら、
その中で感じたことを素直に、写真と文章を通して表現していきます。

プチ写真集~北アルプス その3~

2008-01-24 11:14:10 | 山の写真集
1999年、2000年とふた夏で白馬岳~爺ガ岳まで
北アルプス北部を縦走してきて、
次の年2001年はコースに悩みました。
迷ったあげく、北アルプス南部の名峰、槍ガ岳(3180m)への登頂に決定。

コースは、新穂高温泉~鏡平~双六小屋(テント泊)~西鎌尾根~
槍岳山荘(泊)~槍ガ岳をピストン~南岳、南岳小屋(テント泊)~
南岳新道~新穂高温泉。

この年は苦難と恐怖の山行でした。
一日目は、前日に長野や名古屋の友人達と酒を飲んで
睡眠不足だったのがいけなかったのか、
途中で両足が攣って暗くなった頃にやっとこさ双六小屋に到着。
テントの中で食べたラーメンが美味かったこと!

二日目は、爽快な西鎌尾根歩き。
天気も最高で、槍ガ岳から穂高連峰にかけての壮大な稜線に
目を奪われ、槍ガ岳が近づいてくるにつれて、その神々しさに圧倒される。



午後3時頃。
ガスが湧き始め、稜線の右手から「ザーッ」という音が
近づいてくるではないか!
???
最初は何の音だか判らなかった・・・それが雨の音だと気づき、
レインウエアを急いで着た瞬間、バケツをひっくり返したような
強烈な雨が!
そして、カミナリ。
しかも、かなり近くから!
すぐ頭の上を灰色の雲がゴンゴンと通り過ぎる。
約20キロのザックを背負い、それまでの人生で最速と思われる
ダッシュで小屋を目指す。
カミナリが鳴った瞬間、ハイマツの中に身を伏せる。
だって、周りに自分より高いものはないんだもの・・・怖いよ!

カミナリが落ちた瞬間は谷にゴーッ!と轟音が響き渡り、
この世にいる気がしなかった。
小屋でカミナリが落ちた近くにいたという人に話を聞いた
のだけど、髪の毛が総て逆立ったらしい・・・怖っ。
しかし、夕立の後はキレイな夕焼けに♪
槍岳山荘はテント場が満員で仕方なく小屋に泊まる。


朝、暗いうちに小屋から抜け出し、槍ガ岳を撮影。
実際のフィルムにはもう少し上まで空が写ってる。
CDに焼いてもらったら月が切れそうな位置になって残念。


この後、槍ガ岳の頂上へ。
南側を向くと雄大な穂高連峰が目の前に!
とてつもない存在感!
その向こう側には、焼岳、乗鞍岳。
東側には燕岳、常念岳。
西側には今回歩いてきた西鎌尾根、そして深い谷を挟んで笠ガ岳。
北に振り向くと、前年、前々年と歩いた後立山連峰の山々!
もったないくてナカナカ出発の踏ん切りが付かない。
このことが後に悲劇をもたらすなんて・・・


さぁ、残雪や高山植物を愛でながら、順調に稜線歩きを楽しむ。
振り向けば、槍ガ岳がまだ堂々と聳え立っている。



しかし、大喰岳、中岳とピークを過ぎた頃、
またしてもガスが湧き・・・

そして、前日に引き続き、大粒の雨にあの怖い怖いカミナリが!
もう、小屋は近いだろうと高を括り、ザックにカバーをしただけで
レインウエアも着ずにダッシュ!

ダッシュ!

ダッシュ!

そのうちにビショビショになってしまった!
一人孤独になぜかハイテンションの中、小屋に到着。
雨がやんだ隙にテントを張り、中でカミナリにおびえながら
考える・・・
パンツまでビショビショ・・・
ズボンも代えは無い・・・
もっと早く出発していたら、こんな目に遭わなかったのに・・・と後悔。
考えたあげく、パンツをはかずに、素肌にレインウエアで
一晩過ごし、次の日の朝は、その上に塗れたズボンというアベコベ
な着方で乗り切る(笑)
しかも、ザックにチェック柄のパンツを旗のようにくくりつけ
干した状態で歩き回ったりして。

南岳小屋付近より大キレット、穂高連峰を撮影。
影の部分には、井上靖『氷壁』の舞台となった滝谷が見える。
数多くのクライマーの命を奪ってきた険峻な壁。


大キレットを通過し北穂高岳へ向かいたい気持ちで胸が溢れて
いたのだけど、今回はここまで。
約20キロのザックを背負って北アルプス最大の難路である大キレット
を通るのはちょっと怖い気もするし・・・
何度も何度も振り返りながら南岳新道を下りて行く。
鎖場が数箇所あり、結構急なので、あっという間に下りてしまった。
途中で穂高平避難小屋でトマト、りんごを計4個を平らげる。
冷えててとても美味しかった♪

今回は登山口と同じ場所に下りてきたので、ヒッチハイクして
戻る必要も無く楽だったけど、なんか物足りなかったのも事実(笑)


本当は槍ガ岳の山頂からの写真もあったし、秀麗な前穂高岳の姿を
望遠(200mm)で引き付けて撮った写真もあったのだけど、なぜか
どこに置いたか分からなくなったのですよ(T_T)
捨ててはないはずなんだけど・・・

ということで、今回はなんだか文章の割合が多くて、
『写真集』という感じではなくなってしまいましたね(^^;)

北アルプスには3年連続で行ったきりで、それから登ってません。
時間とお金に余裕があれば続きを歩いてみたいです。