ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

〈なんにもしないこと〉って すてきです。

2018-04-20 06:30:01 | 日記
何だか、ニュースを見たくない気持ちに陥っていたのです。
うんざり、というか、不快というか。
公文書を改ざんしたり、隠蔽したり・・・とのニュースには、国民たるもの、しっかり監視して
行かねばなるまい、という決意に似たものを持ってニュースを観ていますが、「セクハラ」は、
もう、不快なだけ。

青空が広がっていましたので、時折訪れる公園脇のティルームへ行きました。
広い窓の向こうにある土手の桜は萼の赤い色と葉の緑とのグラデーション。
薄いピンク色の花びらは、地面のあちこちに吹き寄せられて茶色に。
季節も移り変わるように、すべては「無常」なのかも、などと、明るい日差しの中で、
妙に納得顔の私でした。

このところ、谷川俊太郎氏の詩集『聴くと聞こえる』を、何べんも読み返しています。
ティルームへも持参しました。
甘さの抑えられたケーキ、ブルーベリータルトを味わいながら、詩も味わいました。

     『なんにもしたくない』
                    谷川俊太郎
      ああなんにもしたくない
      カツ丼なんか食いたくない
      友だちなんか会いたくない
      女となんか寝たくない
      話したくない聞きたくない
      考えたくない見たくない
      コーヒーだって飲みたくない
      笑いたくない泣きたくない
      生きたくもない かといって
      死にたくもない死にたくない
      ないないづくしも言いたくない
      ああなんにもなんにもしたくない
      お日様かんかん蝶々ひらひら
      どこかで赤ん坊泣きわめく
      今は三月それとも四月
      それとも真夏の昼下がり
      歌うたうのももうやめた!

谷川俊太郎氏に お叱りを受けるかもしれませんが、私なりの「ないないづくし」を考えて、
一人、ほくそ笑んでいました。
「あるあるづくし」なども考えて。

コーヒーショップを出てからコンビニで、おにぎり一個と、塩味のついたゆで卵を買い、
池ノ端の柳の下で食べました。
ゆらゆらと柳の葉が揺れています。

ご夫婦でしょうか、整えられた細い歩道を歩いています。
ご主人は杖をついて、奥さまが寄り添って歩いています。
「夫婦愛」という言葉が浮かんできましたが、奥さまも、たまには一人で、自由に歩き
回りたいこともあるかも・・・などと余計な推測を。

ことば遊びは続きます。
〈ゆらゆら ゆらゆら ゆれたくなーい〉

〈なんにもしないこと〉って すてきです。
あっ 黄色の蝶々が ほら ほら
                          〈ゴマメのばーば〉
コメント
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