一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

北関東の底力

2009-03-15 | 飲んだり食べたり

ここのところ3週連続でゴルフ・スキー・ゴルフと続き、遊びも続くとしんどいなどと贅沢を言っております。

今回は水戸の方に泊りがけでゴルフに行ったときの話。
七分咲きだった偕楽園の梅には目もくれず、季節が終わる前にと鮟鱇鍋。
特に感動したのが初めていただいた「鮟鱇のかぶと焼き」。なかなか手に入らないもののようです。

こんな感じで出てきます。 (この写真は水戸の名店のHPからの借り物です)

顔としては上下逆ですね。

特に頬のところにゼラチン質が集まっていて美味です。
アンコウというのは海底にじっとしていてほとんど動かず、動かすのは口だけなんだそうで、確かにこの部分は魚の肉、という感じでした。
(口しか動かさない、というあたり何だか共食いみたいですが・・・)

たまに刺身を買う産地直送の魚屋の店長の話でも、水揚げしてもアンコウは生きているのか死んでいるのかわからないそうです。入れてあるバケツを蹴飛ばすとちょっとだけ尻尾が動くくらいだとか。
くぼんでいる目玉のところをつかんで持ち上げるらしいのですが、それでもぴくりともしないそうです。
逆に歯はとても鋭く、下手に持つと手をざっくり切ってしまうそうです。
そして、生きていると噛み付いて二度と離さず、ゴム長くらいは簡単に食いちぎられてしまうとか。こじ開けるにも相当の力が必要だそうです。


お土産はこれも水戸名物の納豆。舟納豆という高級品です。

これがまた美味い。
大豆が小粒で味わいが凝縮されています。

愕然としたのが、これがなくなった後にスーパーで売っているパック入りの納豆を食べたとき。
一体これは何だ、というくらい味がしません。単に粘ついている丸い豆という感じです。
納豆菌自体はそれほど変わらないのとすると、大豆の品質でこうも違うのでしょうか。それとも蒸し方などにコツがあるのでしょうか。

確かに値段もかなり違います。舟納豆が1パック80gで136円に対し、スーパーの納豆は45g×3パックで安売りで98円。
グラム単価を計算すると2.3倍ですが、味の違いは感覚的には5倍くらいはあるので値打ちは十分にあるかと。

都内では置いてある店がわからなかったので取り寄せようかと調べたら、送料が890円かかるので目下思案中です。


北関東の底力を感じた週末でした。

 

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六本木通

2009-03-14 | うろうろ歩き
六本木ヒルズに行く用事があって、帰り道にふと見上げると、向かい側にこんなビルがありました。



六本木通りに面してるからこういう名前にしたのでしょうが、送り仮名を使ってないので最初は「六本木通(つう)」と読んでしまいました。

六本木通のテナントしか入れないビルとか、テナントサービスでお店紹介などがついてくるビルがあっても面白いかもしれませんけど、それじゃ商売にはなりませんね。


でも、このビル名、名刺に刷るのはちょっと恥ずかしいかも。



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昭和テイスト

2009-03-13 | まつりごと

石川議員を参考人聴取=「正直に述べた」とコメント-規正法違反事件・東京地検 (2009年3月12日(木)23:30 時事通信)

小沢一郎民主党代表の政治団体「陸山会」が西松建設から違法献金を受けたとされる政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は12日、小沢氏の元私設秘書で、同会事務担当だった同党の石川知裕衆院議員(35)=比例北海道=から参考人として事情聴取した。

一連の報道が事実だとすれば、下請会社をダミーで使ってしかもそれが自分の献金だとわかるように連絡していたりしていた西松建設は相当「昭和の香り」がする会社だなと思います。
西松建設以外の大手ゼネコンも同じ手口で献金していたという報道もあるので、業界自体が「昭和」なのかもしれません。  

今頃気がついたのですが、小沢氏の政治資金団体の名前は「陸山会」といいます。このネーミングは岩手県(陸中)出身の小沢氏が越後出身の田中角栄の政治資金団体の「越山会」にあやかろうとした感じで、これも昭和の名残を引いています。
今回陸山会は歴史があるだけに逆に過去を引きずってしまったのでしょうか。

ところでNikkeiBPnetにこんな記事もありました。
「オフレコ破り」、現場はどうなっているのか  

 内閣記者会は日本最大の記者クラブである。政府中枢を取材するのだから、各報道機関とも政治部の中核部隊として位置づけている。それが、「集団的オフレコ破り」を演じてしまったのだ。それも、一定の政治勢力に加担するかたちの展開となったのだから、これは日本の政治報道の汚点として歴史に残る「事件」と言っていいかもしれない。  
 政治取材のイロハについて解説しておかなくてはなるまい。取材というのは、もちろん「サシ」(単独取材)が一番いいのだが、首相官邸でそれをやったら収拾がつかなくなる。このため、官房長官は午前と夕方の2回、記者会見を行い、そのあと、官房長官室で懇談をやるのが慣例だ。官房副長官も夕方、懇談を行うことが多い。官房副長官は政務(政治家)と事務(官僚出身者)がいるが、漆間氏は事務の副長官である。警察庁長官経験者だ。  
 会見は発言者の名前を特定して報道していいが、懇談の場合はぼかすことになっている。官房長官は政府首脳、副長官は政府高官、政府筋などとして報じる。これは各党や官庁の場合も同様だ。自民党の場合、幹事長と党4役が自民党首脳、それ以下は自民党筋などとなる。官庁の場合は、大臣、次官が○○省首脳、局長以下は○○省筋といった具合だ。  
(中略)  
 懇談にも、メモを取っていい「メモ懇」、メモも録音もだめという「オフレコ懇」、内容を明らかにしてはいけない「完全オフレコ」(一定期間が過ぎれば、企画記事などであのときはこうだったというかたちで使える場合もあった)などの区別がある。
(中略)
 記者会見はどうしても建前が優先する。したがって、本音ベースでの背景説明の場として懇談という手法が導入された。これによって、より深みのある政治報道が可能になると考えられた。

コラムの著者は「集団的オフレコ破り」を問題にしてますが、そもそも記者クラブのそういう運営方法自体が健全なのか、という視点の方がジャーナリストとしては大事なのではないかと思います。

そういう意味では、マスコミが一番「昭和」を引きずっているのかもしれません。


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つるべ落とし

2009-03-12 | あきなひ

昨日の夕刊に裁判所の競売物件の広告が載っていました。
なんか久しぶりで、デジャ・ヴのようでした。

ただ、前回のバブルの崩壊(そういえば今回は通称何というのでしょうか?)時にはまだ競売のあまり整理されていなくて、新聞広告を出して一般の人が参加できるようになるまでにはかなり時間がかかったのですが、今回はインフラが整備されたのでスピード感ある対応をしようということでしょうか。

ざっと見ると「第三者占有あり」とか「賃借権設定あり」というような若干生臭いものもありますが、「管理費滞納あり」というのは一つもありませんでした。 それだけ債権者側も勝負が早くなっているし、債務者側もあきらめが早くなっているということかもしれません。


こっちは、「時間の問題」と言われながらも今までもってきましたが・・・

パシフィックHD破綻 負債1636億円
(2009年3月11日(水)08:05 産経新聞)

中柏グループとの資本提携で一時期期待を集めたのですが結局頓挫して手詰まりになったようです。
その後もこんなことをやって生き残りを模索してました。

役員人事に関するお知らせ
(平成21年1月27日 パシフィックホールディングス株式会社)

1.役員の人事異動の背景 
 新経営体制は、経営の継続性に配慮しつつ経営体制を刷新し、グループのコアビジネスである不動産投資ファンドの運用会社3社(日本レジデンシャル投資法人の資産運用会社であるパシフィックレジデンシャル株式会社、日本コマーシャル投資法人の資産運用会社であるパシフィックコマーシャル株式会社及びプライベートファンドの運用会社であるパシフィックインベストメント株式会社)の代表取締役が当社取締役を兼務することにより、コアビジネスを中心としたグループ一体となった事業再構築を図ってまいります。

この時点では新たなスポンサー候補があったのかもしれませんが、自らの信用力が問題なのに傘下のJ-Reitと一体になっての成長を目指すというオールドスタイルな再建策は、J-Reitの投資主にとってはスポンサーと無理心中するような感じに受け止められたのではないかと思います。

中柏って何者?とか、そもそもこの出資話自体の怪しさというあたりはいろいろ噂があるようですが、そこまで裏読みしなくても、かえってJ-Reitにとっては自分は(ファイナンスの問題以外は)健全なうちに縁が切れて良かったのかもしれません。
こんなこともやってたみたいですし。

スポンサー企業の会社更生手続開始の申立てに関するお知らせ
(平成21年3月11日 日本レジデンシャル投資法人)

本資産運用会社は、上記1.(2)③に記載のとおり、PHIに対し金3億円を貸し付けており、当該貸付金が回収不能となる恐れがあります。しかしながら、当該貸付は、本資産運用会社の余資の範囲内で実行しているものであり、回収不能となった場合においても本資産運用会社の資金繰りに支障が生じることはございません。

いつのタイミングでこの貸付が行われたかは興味ありますね。


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時刻表

2009-03-11 | よしなしごと

継続は力なり。

JTB時刻表、5月で1千号 創刊84年「今後も継続」
(2009年3月10日(火)15:00 朝日新聞)

国内の鉄道や航空機、バス、船など公共交通機関のダイヤを網羅した「JTB時刻表」が今年5月号で、千号を迎える。現在残る時刻表で歴史が最も古く、「旅の友」として親しまれ84年になる。ネット時代となり、部数はピークの10分の1以下の15万部に減ったが、根強いファンにも支えられ、地道に発行を続ける。


路線検索で最短距離を検索するのもいいのですが、乗り継ぎ・経路を自分で考えるのも楽しいものです。そういうときに時刻表の一覧性はとても役に立ちます。


子供の頃は弘済出版社の「大時刻表」の方が好きだったのですが、これは買わねば


(25日に発売されるJTB時刻表の999号)



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『無駄学』

2009-03-11 | 乱読日記

『渋滞学』の著者の新著

渋滞学を研究する中で「無駄」について興味を持ち「ムダどり学会」の会長にもなっている著者が、これを学問として取り上げようというのが本書です。

とはいえ「無駄学」は渋滞学ほど理論的な整理がされているわけではないことは著者も認めています。
もっとも本来学問というのは解決・究明すべきとテーマに取り組むところから発達するわけで、現場の実況中継ともいえます。

著者は『渋滞学』でも異分野の知識を有機的に結びつけることの重要性=「クイズ王」と専門家の間の存在の必要性を説いていましたが、本書でもそのスタンスは一貫しています。

本書の後半部は悪く言えばクイズ王優先の床屋談義風になってしまっていて「目からウロコ」という感じはないので、読み物としてはあまり刺激があるとはいえません。前半は「ムダどり学会」の初代会長でトヨタ生産方式に精通した経営コンサルタントの山田日登志氏のムダどりの極意を紹介していて、後半は著者が様々な局面でムダを減らすことができるのではないか、というエッセイのような感じになり、多少話がダレ気味になっています。

しかしあとがきを読むと、著者の意気軒昂ぶりが伝わってきて、今後の活躍が期待できそうです。

科学者は、論理的思考を極限まで訓練しているため、他分野の少しの知識と、そこに思考を踏み出す勇気があれば、どの分野のことも論じていける。そして、これにプラスして経験が必要なのだ。外に踏み出す訓練をしていかないと、直感が磨かれず、総合的な視野がなかなか身につかない。
(中略)
失敗と批判を恐れず外に出ず、細分化された殻の中で安住しているだけでは、大変にもったいない。今はすべての人の知恵を結集して将来の危機に備えるべきなのだ。そしてこれからはこうした縦横無尽に議論できる新しいタイプの科学者の輩出こそが、その国の力を決めるとさえ私は思っている。

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『納棺夫日記』

2009-03-10 | 乱読日記

私の買った本には下の画像とは別に、

本木雅弘さんが、
この『納棺夫日記』に感動して、
映画「おくりびと」が誕生しました。

というコピーがついていました。
こちらが元ネタならば「アカデミー賞受賞に便乗」といっては失礼ですね。

ということで、映画はなかなか見るチャンスがないので、こちらを先に読みました。
著者は詩人を志して早稲田大学を中退し、その後出身地の富山で居酒屋を開業するも倒産したあと葬儀社に勤務し、納棺の仕事をしながらつづった日記とそれにまつわる随想をまとめて地元の出版社から1997年に出版されたのが原著です。
著者はこれで地方出版文化功労賞を受賞しました。
文春文庫版では一部改訂し、著者の出版後のエピソードなどもつづられています(ただし映画化の話についてはなし)。

ということで小山薫堂氏の脚本になる映画とは、「納棺夫」(本来こういう言葉はないそうですが)というモチーフだけが共通点なんだと思います。

本書は「言い話」とか「感動」を与えられるというよりは、考えさせられる本です。
著者自身、当初は納棺の仕事に対しての違和感がぬぐいきれず、あるきっかけ(映画に使えそうな数少ないエピソードです)で吹っ切れた後は、死者と生者の間に立つ視点が芽生えます。

 考えてみると今日まで、毎日死者に接していながら、死者の顔を見ているようで見ていなかったような気がする。
 人は嫌なもの、怖いもの、忌み嫌うものは、なるべきはっきり見ないように過ごしている。きっと私も本能的にそうした態度で接してきたようだ。しかし今は、死者の顔ばかりが気になるようになっていた。

そして、葬儀をめぐる様々な因習にもアウトサイダーとしての視線を向けます。

 私がこの葬送儀礼という仕事に携わって困惑し驚いたことは、一見深い意味を持つように見える厳粛な儀式も、その実態は迷信や俗信がほとんどの支離滅裂であることを知ったことである。迷信や俗信をよくぞここまで具体化し、儀式として形式化できたものだと思うほどである。
 人々が、死をタブー視することをよいことに、迷信や俗信が魑魅魍魎のようにはびこり、入らずの森のように神秘的な聖域となって、数千年前からの迷信や今日的な俗信まで幾重にも堆積し、その上日本神道や中国儒教や仏教各派の教義が入り交じり、地方色豊かに複雑怪奇な様相を呈している。

たとえば葬式に「導師」が登場して死者の霊魂に引導を渡して成仏させているのに、なんで追善供養(一周忌、三回忌など)が必要なのかなど、がいい例で、仏教界などに対してもかなり手厳しい記述もあります。

 (出版を機に寺での講演も増え)僧職者達と話す機会も増えたが、話しているうちにがっかりさせられることの方が多かった。真面目に努力されている方々も多く見られるのだが、突っ込んで話していくと、教条的な観念論になってしまうのだ。
 そこには生死の現場から遊離した、観念だけの宗教学を教わった僧侶たちが、現場の対応に戸惑っているうちに、やがて葬式と法事に埋没されてゆく姿があった。


最後の章は死生観についてのエッセイになっていて、ちょっと理屈っぽい部分もありますが、興味深い考え方が示されています。


たぶん映画を観た後に本書を読むと、追体験でなく違った感銘を受けるのではないかと思います。

 


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『PLUTO』

2009-03-09 | 乱読日記
7巻が出たので早速購入。


アイデンティティや愛と憎悪の問題が過去の記憶のフラッシュバックを巧みにおりまぜて展開するところは『MONSTER』や『20世紀少年』同様今や浦沢直樹のお家芸なのですが、手塚治虫の『地上最大のロボット』へのオマージュである本作は、「本歌取り」がいろいろなところでとりこまれているところも魅力です。

物語は高度化したロボットが人間と同様に生活を送っている時代設定で、ロボットの虐待を禁止し権利を保護する法律ができていたりします。
そして依然としてアシモフのロボット三原則は守られているのですが、ロボットがより人間に近づくにつれておきる問題をロボットの視点から描いています。
(そこからロボットの投票権や自治という方に行くと、全然違う物語になっちゃいますけどそっちにはいきません)

また作中のロボットは、人間と全く同じ姿かたちをした高度なものと、機械の(または手塚治虫的な)形をした旧式(または汎用?)なものとが極端な形で描き分けられていて、名前やキャラクター(感情のゆれとか不器用さ)もそれらに応じているところなどにも作者のこだわりが伝わってきます。


物語が佳境に入ってきたので、今までの複雑な展開を整理しようと1巻から読み直しました。
以前に読んだときには気がつかなかった伏線がいろんなところに張りめぐらされていることに気がつきます。
一度解決したはずの伏線が実はその先まで続いていたりと、まだまだ奥は深そうです。

また第1巻のノース2号のエピソードなど、読み返してもホロリとくる挿話がいくつもあります。



ところで、このノース2号というのは主要な登場人物(ロボット)である高度なロボットのうちの1人(1体)なのですが、これだけいかにもロボット風の身体とそっけない名前が与えられています。


作者はこの名前を考えたときに「サウス2号」だと妙な連想が働くからまずいよなぁ、などと一瞬考えたのでしょうか。



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談合報道

2009-03-08 | まつりごと

こちらのほうが「国策捜査」ならぬ「談合報道」でより問題が深刻のように思うのですが。

政府高官、名前公表を改めて拒否 「自民立件ない」発言
(2009年3月7日23時29分 朝日新聞)  

朝日新聞は6日、この高官に名前を明かすよう求めたが、断られた。7日は朝日新聞も加盟する内閣記者会の総意として、記者会の代表がこの高官に申し入れを行った。
(中略)
この高官は5日、首相官邸で開かれた記者団との定例の懇談で、「自民党側は立件できないと思う。特に(違法性の)認識の問題で出来ないだろう」と、自民党議員に捜査は拡大しないとの認識を示した。懇談は録音やメモはとらないが、発言内容にニュース性があると判断すれば、「政府高官」を主語に報道できることになっていた。  

下線部が引っかかったところ。  

結局マスコミ各社は「政府高官」が誰かって知ってるんですね。
でも記者クラブ(と自民党?)の申し合わせで「政府高官」なら「できることになっていた」のでそのルールに従います、ということのようです。  

でも、この発言を報道すれば発言が本当に逢ったのかとか「政府高官」は誰か、という話には当然なるわけで、「その根拠は示さないが私たちを信じなさい」というのが通ると思うのは無責任というか読みが甘いのではないでしょうか。 

オフレコなら報道せずに、別の切り口でウラを取ってスクープにするとか、問題の重大性から実名報道するとか(犯罪被疑者などにはそうやって実名報道することがありますよね)方法があると思います。  

権力の監視を自らの役割と任じていて、企業の不祥事や問題が明らかになるたびに「業界内のルールが通用すると思ったら大間違いだ」と批判する報道機関がこういう状態でいいのでしょうか。  


参考までにこんな話を。  

日経ビジネスオンライン 日刊新書レビュー記者クラブは官庁の下部組織なのか~『ジャーナリズム崩壊』上杉隆著(評:荻野進介)  

 ニューヨークタイムズ時代、上杉は自民党の若手議員数名から、良質のコメントを沢山拾ったことがあったが、議員らは誰も自分の名前を出したがらない。仕方なく、そのままコメントを支局長に送ったが、「内容は素晴らしいが、政治家の場合、実名以外は信用できない」と、くずかご行きになってしまったという。 

 相手がオフレコ取材しか認めない場合はどうするか。ワシントンポストのブラッドリーという編集主幹とキッシンジャー国務長官との「戦い」のエピソードが秀逸である。
 「情報源が自分であることを秘して使うなら」と同紙の取材に応じたキッシンジャーだったが、ブラッドリーは氏名の掲載許可を求め、担当記者を交渉に行かせる。その記者はキッシンジャーに罵倒されながらも粘りに粘って、ついに「実名ではなく、政府高官ということならOK」という譲歩を引き出した。  
 ブラッドリーはなおも諦めず、どうにか実名を引っ張り出そうと、今後は自分で交渉したが、結局、決裂。しぶしぶ「政府高官」での掲載を認めた。  
 記事には「政府高官の情報によれば」とあり、キッシンジャーの名前は一言も掲載されていなかった。ただ、記事中にはひとりの男の写真が掲載されていて、「政府高官」というキャプションがつけられていた。その写真に写っているのはキッシンジャーその人だった。


 

<追記>

「自民党側は立件できない」発言は漆間官房副長官
(2009年3月8日(日)09:04 朝日新聞)

西松建設の違法献金事件で「自民党側は立件できない」と発言した政府高官について、河村官房長官は8日朝のフジテレビの報道番組で、この政府高官が元警察庁長官で官僚トップの漆間巌官房副長官だと明らかにした。

父親がサンタクロースだと子供が知っていることを知りながら、なかなかばらせないでいるお父さんのような感じでしょうか。


マスコミは記者クラブだかのルールを守ったことになるのかもしれませんが、逆にこういう形でオフレコが守られないとわかると今後定例会見での「政府高官」の口が堅くなるので、結局長期的には記者クラブは自分で自分の首を絞めていることになるように思います。

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国策捜査?

2009-03-07 | まつりごと

高度な情報戦なのか、脇が甘いドタバタ相撲なのか。


違法献金事件、自民に拡大せず=政府高官が見通し
(2009年3月6日(金)02:30 時事通信)

政府高官は5日、西松建設の違法献金事件に関する東京地検特捜部の捜査が自民党の議員にまで拡大することはないとの見通しを示した。その理由について政府高官は「(小沢一郎民主党代表の逮捕された公設第1秘書の場合は)西松建設への請求書があった」と指摘した。

「自民立件ない」政府高官発言に与野党批判 西松事件
(2009年3月6日(金)22:31 朝日新聞)

自民党の細田博之幹事長は記者会見で、党役員連絡会で「分かったようなことを言うべきではない」との意見があったと紹介し、「その通りだと思う」。大島理森国会対策委員長も「(政府高官が)誤解を受けるような言葉を絶対に言ってはいけない」と、河村官房長官に注意した。  

これに対し、河村氏は記者会見で「国策捜査ということは現にあり得ないし、あり得べきことでもない。そのようなことを類推させるようなことが政府側から出ることはあり得ない」と釈明した。  

一方、民主党は批判を強めた。鳩山由紀夫幹事長は会見で「政府高官は馬脚を現した。なぜ捜査の行方に対し、こんなに確信的な言動が出来るのか。内閣と検察の間で何らかの会話が行われていたと疑わざるを得ない」と述べ、参院予算委員会で追及する考えを示した。

「潔白」繰り返す小沢氏=捜査批判一転、協力姿勢に
(2009年3月6日(金)22:30 時事通信)

民主党の小沢一郎代表は6日、資金管理団体をめぐる違法献金事件について、逮捕された公設第一秘書と自らの「潔白」を重ねて強調し、代表辞任も改めて否定した。一方で、4日の記者会見とは一転、激しい捜査批判を控えた。検察当局との全面対決に不安が広がる党内の空気を考慮せざるを得なかったようだ。
さらには、求められれば参考人聴取に応じる考えを示すなど、捜査に協力する姿勢もアピール。激しい怒りの表情を見せた記者会見とはうって変わり、終始穏やな表情で記者団の質問に答えた。


私は政治のことについては全く疎いのですが、今回の逮捕は確かに「国策捜査」(これも絶妙なネーミングですね)と言われかねない微妙な時期ですが、「野党の党首や重要人物まわりを立件するのに適当なタイミング」というのがあるかというとこれもけっこう難しいのではないでしょうか。

たとえば今回西松建設関係の捜査で小沢氏の政治資金管理団体が突出して派手な違法行為を行っていたことが判明したとして、政局が落ち着いてから立件しようとしばらく待っているとすると、待てば待つほど逮捕に唐突感が出てしまいます。

たとえば総選挙の結果民主党が政権を取った、すなわちある意味で政局が落ち着いた時点で立件したら、それはそれで政治的意図を取りざたされますよね。
タイミングを見計らっているとかえって時機を逸してしまうし、結果的にアンタッチャブルな存在にしてしまうわけにもいかないとなると、「テンパイ即リーチ」というのが一番中立的、という考えも成り立つのではないかと。

 

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『予想どおりに不合理』

2009-03-05 | 乱読日記
本書はいろんなところで取り上げられているようですが、読んでみると人気が出るだけのことはあるなと納得。


人間は合理的な行動をするという前提であった従来の経済学に対し人間は様々な要因で不合理な行動をするということを前提にして最近注目を集めている行動経済学について、人間がいかに様々なことに影響されて不合理な行動に陥りやすいかについて(これがまた面白い)実験結果などを元にわかりやすく語っています。


中でも印象深かったのが、社会規範(お金の絡まない関係)が市場規範(お金の絡む関係)と衝突すると社会規範が消えて市場規範が残る、というもの。
これは他の「不正直」の実験とあわせて、専門家の職業倫理(社会規範)が低下すると取り戻すのは容易ではないという教訓を導きます。

本書で例に挙げられているのは(当然アメリカの)弁護士や医師ですが、昨今のサブプライム問題の一因ともなった格付け機関や、日本でも不正経理に加担する会計士とか不動産ファンドの圧力に負ける不動産鑑定士とか最近案件が減ったのでタイムチャージを稼ぐためか急に契約書の細かい論点にこだわるようになったファイナンス系の弁護士とかを想起させます。

また、「不正直」の実験では人間は現金がからんだ場合より現金のからまない場合の方が不正をしやすい(たとえば現金を盗む犯罪被害額よりも保険金の不正受給額のほうが桁違いに多いなど)というところも印象的です。
アメリカにおけるエンロン事件や日本の新興市場などでの怪しげな増資やM&Aや循環取引なども心理的な障壁が少ないことも一因なのかな、と思ったりもしました。

確かに数字(帳簿だとか合併比率だとか)をいじればお金が回るという誘惑は大きいですし、それにFA(ファイナンシャル・アドバイザー)などはもともと市場規範オンリーの人々だったりしますからそこをいかに事前・事後で監視するかが会計監査人や証券取引所の役割として議論されているわけですね。



ところでふと気がついたのですが、「行動経済学」というネーミング自体が「アンカリング」(物をある価値と関連付けて「刷り込み」をすることで高い価格を受け入れやすくする)のいい見本ですね。

競争の厳しいアメリカの大学で、ポストや講座やスポンサーを獲得するためには一番必要な工夫なのかもしれません。
(もちろん著者はそんなことは言ってませんが・・・)


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アカハラ

2009-03-04 | よしなしごと

「アカハラ」っていまひとつよくわかりません。


アカハラで3准教授懲戒解雇=4日連続徹夜などさせる-北海道教育大
(2009年3月3日(火)20:30 時事通信)

 北海道教育大(札幌市)は3日、自分たちの研究に絡み学生に過剰な作業を強いるなどアカデミックハラスメントをしたとして、同大旭川校(旭川市)の准教授3人を同日付で懲戒解雇処分にした。  

同大は2月19日付で3人を諭旨解雇とし、今月2日までに辞職届を出すよう求めていたが、提出されなかったため、退職金の出ない懲戒解雇に切り替えた。  

同大によると、3人は39歳2人と35歳の男性准教授。2006年度以降、共同研究に学生を従事させ、4日連続で徹夜させて文献のリストアップや電子化作業を行わせるなどした。この結果、19人が大学側に被害を申し出て、うち9人が不眠などの体調不良を訴えた。

大学教官によるハラスメントをアカハラというんでしょうが、「ハラスメント」といえば悪意とか不純な動機(主観的でなくても客観的な)というのが必要なように思っていました。

でも、上の記事を見ると、準教授の段取りが悪かったのでスケジュールがつまってしまったようにも思えます。
4日連続の徹夜の途中で体調不良を訴えたり不満を言ったにもかかわらず作業を強要した、というならわかるのですが。


民間企業でも、段取りの悪い上司とか締め切りがきつい仕事のせいで仕事が集中して長時間の残業を余儀なくされたら「パワハラ」になるのでしょうか。
そんなのは世の中にごまんとあるような感じもします。
J-Soxの追い込みとか、官僚の国会対応とか・・・


 

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民主党小沢代表の公設秘書逮捕

2009-03-04 | まつりごと

朝日新聞の夕刊あたりから急展開があったようで。
とりあえずメモ代わり。

小沢代表の公設秘書逮捕=西松建設から陸山会に献金、違法性認識か-東京地検
(2009年3月3日(火)19:30 時事通信)  

小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」(東京都港区)が準大手ゼネコン「西松建設」(同区)から違法献金を受けたとして、東京地検特捜部は3日、政治資金規正法違反容疑で、小沢代表の公設第一秘書で同会会計責任者大久保隆規容疑者(47)、同社前社長国沢幹雄容疑者(70)=外為法違反罪で起訴=ら3人を逮捕した。特捜部は同日、陸山会事務所を家宅捜索した。  

西松建設の不透明な資金をめぐる一連の疑惑は、大物政治家秘書を巻き込む事件に発展した。  

政治資金規正法では、政党以外への企業献金や他人名義の献金を禁じている。西松建設はOBが代表を務める2つの政治団体をダミーとして与野党幹部らに対し、実質的に多額の企業献金をしていたが、特捜部は、大久保容疑者が同社からの献金と認識していた疑いがあるとみて事件の全容解明を進める。  

逮捕容疑では、大久保容疑者は2006年までの4年間、陸山会が同社から計2100万円の寄付を受けながら、「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」から受けたと虚偽記入していた疑い。一方、国沢容疑者らは同年10月に新政治問題研究会の名義で寄付したとされる。 

西松の件が出た時点で点検はしてなかったんでしょうか。
「どうせみんなやってるんだろ」という考えなのかもしれませんが、党首を守るにはちょっと脇が甘いような。


さらにこんな記事も

代表秘書逮捕に動揺=「国策捜査」と反発も-民主 (2009年3月3日(火)20:30 時事通信)


検察もそれなりの先読みと覚悟をしたうえでの行動でしょうから、政権を取ろうって政党が、泣き言だか逆切れしていてはいけないと思うのですが。


コメント (2)
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郵政民営化の弊害

2009-03-03 | よしなしごと

書留郵便の不在通知を受けて再配達指定をしたのですが、帰宅が指定時間帯に10分ほど遅れてしまいました。

マーフィーの法則ではありませんがこういうときに限って時間早々に配達されるもので、角を曲がってマンションのエントランスを眺めると、案の定ちょうど郵便局員がバイクのエンジンを始動させたところ。

ここで行かれてはお互いに二度手間と、大声で呼び止めようと思った瞬間に

民営化したあとも今まで通り「郵便屋さ~ん!」と呼びかけていいのだろうか?

という疑問が。

「日本郵政さ~ん」というのも変だよな・・・
「JP」って愛称だけど「JPさ~ん」というと外国人だかJPモルガンの人を呼び止めているみたいだよな・・・
じゃあ、日本人ぽいとすると「鳩山さ~ん」かな
あ、それは民営化見直しの人だった。
でもいまさら「小泉さ~ん」じゃな・・・
そうだ、配達しているのは日本郵政じゃなくて郵便局会社だったので、やはり「郵便屋さ~ん」でいいんじゃなかろうか。
でも正式名称はなんだったっけ。(正解:「郵便局株式会社」)

などと一瞬逡巡するうちに、郵便屋さんは走り去ってしまいました。


結局郵便局に連絡をとったら配達員に連絡をしてくれて、1時間ほどあとに受け取ることができたのであわてることもなかったのですが。
(電話に出た郵便局の人も、配達の人も非常に親切に対応していただき、ありがとうございました。)


でも、将来的に新規参入がされた場合、気のきいた愛称が必要になるかもしれませんね。

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明治ブルガリアヨーグルトの ヒ・ミ・ツ

2009-03-02 | あきなひ
「明治ブルガリアヨーグルトLB81 そのままで プレーン」の中蓋です。



右下の画は『もやしもん』のパクリですよね・・・

(『もやしもん』のコミックの公式サイトはないようなので、アニメの公式サイトはこちら


画自体がそっくりなのでなければ「細菌を擬人化した画」だけでは著作権侵害にはならないということでしょうが、細菌が「すごーい」などとしゃべっているところとか発想自体は完全なパクリだと思います。

『もやしもん』の作者には許可を得ているのかもしれませんが、大企業である明治乳業としてはいかがなものかと。

明治乳業はこの4月から明治製菓と経営統合しますが、明治製菓のスナック菓子などで『もやしもん』とタイアップする可能性もなくはないでしょうし、つまらないところでケチをつけられるようなことをするのはどうなんでしょうか。

ひょっとしたら明治乳業の方はまじめなので、コミックを知らなかったのかもしれませんけど。



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