一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「脱出記-シベリアからインドまで歩いた男たち」

2005-12-03 | 乱読日記
最近の通勤課題図書の続きです。
これも(うたた寝しているときを除いて)一気に読んでしまいました。

これは、第二次世界大戦直前、ナチスドイツがポーランドに侵攻し、ポーランド軍の敗走によってソ連領にある実家に帰っていたポーランド軍騎兵隊中尉が、スターリン支配下のソ連の秘密警察にスパイ容疑で捕らえられ、25年の強制労働で送り込まれたシベリアの収容所から脱走し、シベリア-モンゴル-チベットーインドと1年かけて徒歩で縦断したドキュメンタリーです。

前半3分の1は、主人公が逮捕され、拷問のような尋問を受けながら何の罪もなく刑を宣告され、シベリアの収容所に送られるまでを描いています。
スターリン治世の旧ソ連で、体制を維持するというためだけの名目でいかに無意味で残虐な拷問や拘留が行われていたか、がリアルに描かれています。

それ以降は、収容所生活から仲間を募っての脱走・逃亡の話が続きます。

厳しい自然と過酷な運命に翻弄されながら「とにかくインドへ」と歩を進める主人公たちを細部までリアルに描写しています。

重要なのは意志の力(あきらめない心)、仲間、状況に応じた創意工夫、そしてユーモアだ、ということを強く感じました。







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「容疑者Xの献身」

2005-12-03 | 乱読日記
最近「姉歯問題」で深夜とか早朝にblogの更新をして寝不足気味なので、通勤用課題図書は比較的軽い読み物をということで「容疑者Xの献身」を電車の中で時折落ちながらも読みました。

東野圭吾は「白夜行」くらいしか読んだことはないのですが、プロットがしっかりしているだけでなく、主人公の日常を(多分かなりリサーチして)リアルに描いてますし、人物の気持ちの動きの無駄のない描写も好きです。


細かいストーリーはネタバレになってしまうので省略しますがamazonの紹介では

天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。湯川は果たして真実に迫れるか

などといってます(これだけじゃ何だかわからないところが逆にいいですよねw)。
ちなみに「湯川」というのはシリーズで登場する謎解きの得意な大学の先生のようです。


なかなか上質のミステリでした。







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