一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

中国の「民営中小企業」

2005-12-01 | あきなひ
関 満博 一橋大学大学院教授の講演を聴きました。
中国の「民営中小企業」がテーマ。

中国では80年代~90年代初頭に話題になった郷鎮企業や国営企業などは成長が頭打ちになっているものが多い一方で、利権やコネに関係なく個人の起業家の努力によって成長してきた「民営中小企業」ともいうべき企業群が力をつけてきていて、ちょうど日本の昭和30年代のような活気があるそうです。

日本で最近流行りのIT系起業家というよりは、他人の工場の機械を夜中に時間借りして働くというような、昔の日本の中小企業の創業者のような人々が今や最新鋭の機械設備と技術を持った部品加工業者に成長している、というような話。

日本の部品メーカーの二代目社長を連れて行くと、皆、自分の父親が会社を立ち上げたときと同じだ、という感想を持つとのこと。


オリンピック、万博後の多少の景気変動はあるだろうが、若者の活力と成功したいという意欲が桁外れであり、それがある限りは中国企業の勢いは続くのでは、という見方には説得力がありました。


また、「中国経済は世界経済だ」という比喩にはなるほど、と思いました。

普通の国家なら経済発展によって中流階級が増え、貧富の平準化がおこるにもかかわらず、中国経済の特徴は、経済発展によっても富裕層と貧困層の平準化がいつまでたっても起こらない。これは、世界経済がどんなに発展しても発展途上国とのギャップや最貧国の問題は解決できていないのと同じではないか。
つまり、まだわれわれは「10億人単位の経済政策論」を持ちえていないのではないか、ということです。


その他、

産学協同が中国ではうまくいって、日本ではなぜ上手くいかないか(中国では「予算の半減」というような荒療治をした、日本は独立行政法人化といいながら有名大学の優遇は続くから本気にならない)

一方で、産業のベースを支える工業高校が半減されようとしている事に誰も異を唱えないのはおかしい

今の日本の学生は頭はよく感覚も鋭いが、志が低い。
教授はインターンシップとして学部の3年生を2,3週間中国のそういう民間の工場に放り込んで中国人工員と蚕棚のベッドで寝起きを共にして働かせると、世界にはこういうハングリーで向上心のある連中がいるんだと目を覚まして、俄然やる気になるとのこと。


それからおまけで、ライブドアの中国現地法人というのが大連にあるのだが、働いているのが全員日本人。
なにしろ「中国で働きませんか、渡航費と宿泊施設は提供します」といって日本で募集すると、3,4万円の月給(中国での住居費以外の生活費としては十分)でものすごい数の応募があるらしです。
応募するのは「自分探し」の若者で、応募があまりに多いので人員を倍増する予定だとか。
これだと中国人を雇うよりトータルのコストは安いらしいです。

やるもんだなぁ、ホリエモン。
コメント (2)
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