「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

愛情飢餓感が 人一倍強い

2009年11月03日 19時54分58秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 見捨てられ不安を感じ、 人間関係が不安定になりやすい 根底には、

 拭いがたい愛情飢餓と 関心への渇望があります。

 幼い頃、 愛情を脅かされる体験を したことが関係しています。

 表面的には愛情があり、 普通に育てられたように 見える場合も、

 本人は 親に愛されなかったと 感じていることが少なくありません。

 愛情を奪われることに 最も敏感な時期に 受けた心の傷は、

 その後長く 心に刻み込まれます。

 人によっては、 見捨てられ不安や 関心への渇望が 一旦抑制され、

 思春期から再び 現れてくることもあります。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕


 言うまでもなく、 心子が最も 苛まれたもののひとつです。

 僕には見捨てる気持ちなど これっぽっちもないのに、

 何でもないことで 見捨てられると感じ、

 傷つく前に 自分から去っていくことを 繰り返しました。

 或いは、 僕がいずれ 心子から離れていくとか、

 別の女性と 一緒になると、 折に触れて言うのでした。

 しかし、 すぐに 泣きすがって謝ってきたり、

 「大好き大好き!」 と むしゃぶりついてきたこともあります。

 関心を引こうと 変わったことをした 例としては、

 付き合い始める前、 自分の経歴をメモした紙を

 わざと僕の部屋に 置いていったことや、

 生理のときに使ったティッシュを 落としていったことを思い出します。

 生後1年間、 足の障害のために 親に抱かれず 独りで寝かされていた体験が、

 根底にあるのでしょう。

(どこまでスキンシップがなかったのか、 正確なことは分かりませんが。)