いつも 誰かを頼らずにはいられず、
人に尽くしすぎて 利用されてしまうタイプを、 依存性パーソナリティといいます。
自分の本心よりも 相手の顔色ばかり見て、 相手に合わせてしまいます。
そのため騙されやすく、 利用されている相手に 自分から尻尾を振ってしまいます。
誰からも好かれたいと思い、 嫌な奴だと 思われないために、
何も言えない人間に なってしまうのです。
相手の話を聞くと、 何かしてあげなければと 思ってしまいます。
自分は無能なので、 相手にすがらなくては 生きていけないと思い込んでいます。
元来 献身的な性格ですが、 境界性パーソナリティ障害に陥ると、
抑えていたものがはじけて、 不安定で衝動的な 傾向が強まります。
きっかけは、 さんざん尽くしてきた相手に 裏切られたという体験が 典型的です。
そうすると、 誰彼となく愛情を求めたり、
些細なことで仲違いをすることが 頻繁になります。
信頼し尽くしていた相手を、 突如 見捨てたり裏切ったりします。
依存性パーソナリティから境界性パーソナリティ障害が 発症するタイプは、
最も頻度が高く、 境界性パーソナリティ障害の 中核グループだと言えるでしょう。
〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
心子は僕に対しては 依存が強く、
すがらなくては生きていけないと 思っていましたが、
他の人に対して そういうことはありませんでした。
僕と付き合うようになるまで、 仕事面でも優秀で 自立して生きていました。
誰からも好かれたいという 八方美人的なところはなく、
相手が誰でも 言うべきことは言うという、 確固としたものを持っていました
そのために 自分が不利になっても 少しも構わず、
依存性とは正反対の 性向だったと言えるかもしれません。
でも 僕に対して、 信頼し尽くしていたのに、
些細なことで突然 見捨てて去っていくことを 繰り返していました。
また、 悩んでいる人の 話を聞くと、
自分がどんなに辛くても 何とかしてあげようとしていました。
ただ これは 相手に好かれるためというより、
自分が誰より 苦しみを知っているために、
相手の苦しみを放っておけないという 心理だったのではないかと思います。