「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

親に対して 強いこだわりがある

2009年11月05日 20時55分34秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 境界性パーソナリティ障害の人は 例外なく、

 親に対して 強いこだわりを抱いているといいます。

 求める気持ちと 拒否する気持ちが同居した、

 アンビバレント (両価性) な葛藤です。

 甘えたいのに甘えられない、 親から認めてもらえない という気持ちでいます。

 親を過度に理想化したり、 失望を味わったりという 状況があります。

 親の価値観を 押しつけられすぎた子供は、

 支配されるにしろ、 離反するにしろ、 親の影響を受け続けます。

 親が立派すぎても、 親の期待に応えられない子供は 罪悪感を抱いてしまいます。

 親の愛情さえ 知らずに育った人は、

 幻想を膨らませたり、 幻滅を味わったりを 繰り返します。

 「母には私の葬式に 来てほしくない」 と言う ある女性は、

 母親への 裏返ったこだわりを持っているのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕


 心子に対する 父親の影響は、 この数日 書いている通りです。

 父と一緒に死ぬという 誓いを破った罪悪感で、

 心子は 死ななければならないという 希死念慮に呪縛され続けたのです。

 母親に対しては、 結構仲がよくて 一緒に旅行に行ったり、

 同じベッドで 寝たりしていた反面、 すぐに怒りをぶつけたりしていました。

 このままでは 母親を殺してしまうと思い、 17才で家を出たといいます。

 「母は下等動物」 「人の痛みが 分からない奴なんて 人間やめろ!」

 そんなメールが 僕の所によく送られてきました。

 ところがその直後に、 こんなメールも来るのでした。

 「私はいつも人を傷つける。

 いつか あなたも傷つけてしまう、 大切な人を」
 
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