私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

イェルジー・セムコフ - ベートーヴェン「田園」ライヴ盤

2015-06-26 17:40:28 | 交響曲

  ポーランド出身で後にフランスに帰化したイェルジー・セムコフ(Jerzy Semkow/1928~2014)が指揮するベートーヴェン/交響曲第6番「田園」のライヴ盤に針をおろした。オーケストラは「ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団」、「ワルシャワ・フィルハーモニー」におけるステレオ・ライヴ録音である。(写真/ポーランドMUZA,SX1456)残念ながらLPにはコンサート年月日のデータ記載がないので詳細な録音年月は不明だが演奏は第1楽章の主題提示部の反復も実行するなど丁寧な仕上がりが魅力的だ。この「MUZA盤」はポーランド老舗レーベルでオールド・LPコレクターには懐かしみを感じる方もおられると思う。また指揮者のセムコフについては彼が「セントルイス響」の音楽監督時代に録音した名盤、シューマンの交響曲全集を思い起す。さらに余談になるが彼は東京では振らなかったが1969年「ロンドン・フィル初来日公演」にベルナルト・ハイティンク、ジョン・プリチャードと共に同行している。

 

 

 

 

 

  


サージェントの「エロイカ」

2015-04-28 15:02:26 | 交響曲

  サー・マルコム・サージェントの懐かしいレコードからもう1枚。 ロイヤル・フィルとのベートーヴェン交響曲第3番「エロイカ」である。写真のLPは1960年代初頭にリリースされた「HMV Concert Classics」シリーズで私のコレクションはモノラル盤だがオリジナルはステレオ録音と思われる。(写真/英EMI XLP 20040)やはり今針をおろすと時代を感じさせる音だが演奏はサージェントらしく風格がある。さらに「第2楽章」が二面にまたがることも当時のLPでは珍しいことではなかった

 

  


ハンス・スワロフスキーのチャイコフスキー交響曲第1番「冬の日の幻想」

2015-04-21 18:55:37 | 交響曲

  懐かしい米URANIA盤から1枚、名匠ハンス・スワロフスキー(Hans Swarowsky/1899-1975)のチャイコフスキー交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」を取り上げてみたい。(写真/米URANIA-US 58008)レコードのオーケストラ表記は「Vienna Philharmusica Symphony」となっているがおそらくウィーン国立歌劇場管弦楽団(ウィーン・フィル)ではないかと思われる。録音年代も不詳だがステレオ録音なので1960年前後と推定される。演奏もスワロフスキーらしくじっくりと落ち着いたテンポでおし進めていくところに好感がもてる。特にアダージョの第2楽章が美しく印象的だ。この演奏を聴きながら彼が晩年(1973年)にNHK交響楽団定期に客演した時のことを思いだした。ジャケット・デザインも時代を感じさせ気に入っている。

 

 

 


ケルテス&ウィーン・フィルのシューベルト交響曲

2015-04-20 16:40:36 | 交響曲

  「ハンガリーの名指揮者イシュトヴァーン・ケルテス、テル・アヴィヴの海で遊泳中溺死」という衝撃的ニュースが流れたのはもう40年余りも昔、1973年4月のことである。43歳の若さだった。写真のLPは彼が遺したウィーン・フィルとのシューベルトの交響曲全集録音から「第5番変ロ長調D.485」・「第8番(現第7番)ロ短調D.759」を収めた1枚である。彼は1963年には「第8番」と「第9番<ザ・グレート>」を録音、その後この「第5番」を含む残りを晩年の1970年代初頭にかけ一気に録音し全集を完成している。録音も秀逸でウィーン・フィルのたおやかな弦の響きが美しい。(写真/国内盤LPロンドン、SLC8122)

 

 

 


ハイティンク&コンセルトヘボウのチャイコフスキー/交響曲第5番

2015-04-19 10:51:03 | 交響曲

  写真のLPはベルナルト・ハイティンクがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団芸術監督時代の1974年-79年に完成したチャイコフスキー交響曲全集録音からの分売、「第5番ホ短調」である。(蘭フィリップス 6500 922)因みにこの「第5番」はその皮切りとなった1974年の録音だった。個人的には「マンフレッド交響曲」を含む彼の全集録音の中でも一番気に入っている演奏である。もっとも彼にはこの全集録音以前にも同楽団と「第4番ヘ短調」(1969年)、「第6番ロ短調<悲愴>」(1970年)の録音があった。


若きヴァントのシューベルト「未完成」

2015-04-10 15:13:06 | 交響曲

 先日取り上げたブルックナーの「第8番」と同様ギュンター・ヴァントのケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団首席指揮者時代のシューベルト交響曲第7番(旧第8番)<未完成>の録音である。CDに記載された録音データによると1958年3月5日ということなので当時ヴァントは46歳だった。音質は大変良好でステレオ音源ということも大変興味深かった。この遅めのテンポをとる若きヴァントの演奏スタイルも晩年の「北ドイツ放送響」との演奏と比較してもさほど大きな相違はなく名演だ。写真のCDは2006年「UNIVERSAL MUSIC FRANCE」-「Accord(アコール)」レーベルよりリリースされた。(仏Accord-476 8959) なおCDにはこの他にだいぶ以前にLP(米OMEGA-OSL 12写真・下)で紹介したことがあるアタウルフォ・アルヘンタ指揮セント・ソリ管弦楽団のシューベルト「交響曲第8番(旧第9番)<ザ・グレート>1958年録音」がおさめられている。オリジナルは「Le Club Français du Disque」音源だが残念なことに第2楽章(中間部)に一瞬音がフェード・アウトしてしまう編集ミスがあるようだ。

 

 

 

 

 


プレトニョフの新・チャイコフスキー交響曲全集録音から「第2番」

2015-04-01 13:37:27 | 交響曲

 ミハイル・プレトニョフ&ロシア・ナショナル管弦楽団によるチャイコフスキー交響曲新全集録音から「第2番ハ短調作品17」を取り上げてみたい。(PentaTone classics/PTC5186 382) ちなみにプレトニョフは同コンビで1990年代に「ドイツ・グラモフォン」に今回と同様「マンフレッド交響曲」を含む全集録音を完成している。今回の新録音のプロジェクトは2011年から始まり2013年4月録音の「マンフレッド交響曲」で完結した。この「第2番」はウクライナの民謡をモチーフに多く用いていることから「ウクライナ(小ロシア)」の副題でも知られている。現在一般的に演奏、レコーディングされているのは1880年の改訂版だがこのCDの余白には改訂版と一番大きな違いがある1872年原典版による「第1楽章」が収録されている。楽章冒頭部分の出だしは同じだが「第ニ主題」以降は全く異なる旋律になるので聴き比べが大変興味深い。尚、原典版による全曲録音は以前に「CHANDOS」よりジェフリー・サイモン指揮ロンドン交響楽団の演奏が出ていたと思う。


ユーリ・バシュメット&国立ノーヴァヤ・ロシア交響楽団

2015-03-31 20:25:20 | 交響曲

  ロシアの名ヴィオラ奏者、ユーリ・バシュメットは自身が結成した「モスクワ・ソロイスツ」と度々来日、その巧みで緻密なアンサンブルの魅力に酔うファンも多い。同時に近年は指揮者としての活躍も目覚ましく現在は1990年に設立された「国立ノーヴァヤ・ロシア交響楽団」の芸術監督も務めている。写真のCDはこのコンビによるブラームスの「第3番」とチャイコフスキー「第6番<悲愴>」の2曲を収めたライヴ録音である。ちなみにブラームスが2004年4月27日、チャイコフスキーが2005年2月7日、いずれもモスクワ音楽院大ホールにおける演奏である。オーケストラ指揮者としても彼の器の大きさが充分に伝たわる1枚だ。(オーストリアica CLASSICS-ICAC5023)


ヴァント&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の「ブルックナー第8番」

2015-03-30 15:23:00 | 交響曲

 写真はかつての「コンサート・ホール盤」等々どちらかといえばマニアック向けの貴重音源を数々CD復刻している「SCRIBENDUM(スクリベンダム)」が2000年初頭にCD化したギュンター・ヴァント指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団によるブルックナー交響曲第8番である。(SCRIBENDUM-SC007)ヴァントは1946年から74年にかけこの歴史あるオーケストラの首席指揮者を務めていた。なんでもこの録音は彼がケルン市音楽総監督就任25周年を記念したコンサートのライヴ収録(1971年10月4日)とのことだが演奏終了後の聴衆の拍手はカットされている。ヴァントが遺した「第8番」の代表的な公式録音は数えるだけもこの音源の他に古い順に「ケルン放送響(1979年)」・「北ドイツ放送響(1987年・1993年)」・「ミュンヘン・フィル(2000年)」、「ベルリン・フィル(2001年)」と5つあげれるが演奏時間もほぼ年代を追うごとに遅くなっている。因みにこの「ギュルツェニヒ管」との演奏は80分を切っており各楽章のテンポも一番速く鋭角的なブルックナーである。余談だがこの音源、国内盤でも1970年代に廉価盤LP2枚組で発売され筆者も購入した記憶がありレコード棚をチェックしてみたが見つからなかった。

 


若き日のチェリビダッケ 

2015-03-28 13:38:01 | 交響曲

 若き日のチェリビダッケ、貴重な放送音源からの復刻である。戦後の混乱期ベルリンで研鑽を積んでいたチェリビダッケは1945年「ベルリン放送協会」主催の指揮者コンクールで優勝、そして幸運にも「ベルリン・フィル」の指揮台にデビューする。写真のCD(仏TAHRA4017,<旧271>)にはその当時ベルリン放送協会のホールで収録されたベルリン・フィルとの演奏がおさめられている。<ベートーヴェン「レオノーレ序曲第3番」(1945年1946年1月10日収録)、ブラームス「交響曲第4番」(1945年11月18日収録)> 当然のことなが音質に多少難点があることは致し方ないが時代を考慮すれば納得できる。むしろ若きチェリビダッケがエネルギッシュで真摯に真っ向から作品に情熱を注ぐ指揮ぶりに注目したい。残念なことにこのフランス「TAHRA」レーベルも昨年CD制作に幕を下ろしてしまった。