クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その32 R.ワーグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」

2006年09月09日 | とっておきの名盤「オペラ」
45年ほど昔になるがクラシック音楽が好きになって、すぐに夢中になったのがワーグナーの歌劇「タンホイザー」の入場行進曲で、小遣いをはたいて手に入れたEP盤をほとんど擦り切れるまでに聴いた思い出がある。
年末にはNHKからラジオ放送されるその年のバイロイト音楽祭演奏を、ほとんど徹夜状態で聴いたものである。
いわゆるワグネリアン中毒症状だ。
ところで、ここで挙げるとっておきの名盤は、ワーグナーの代表作である楽劇「トリスタンとイゾルデ」で、1966年というから今から40年前のバイロイト音楽祭の伝説的名演である。
指揮はライヴで最も燃えるベーム、トリスタンは最高のワーグナーテノールであったヴィントガッセン、イゾルデが不世出のドラマティック・ソプラノといえるニルソン、そして脇を固めるのが私の好きな歌手であるヴェヒター、ルートヴィッヒで完璧と云っていい布陣である。
そして舞台は、今や伝説的なものとなっている印象的なバイロイトの舞台を繰り広げた天才的な演出家ヴィーラント・ワーグナーのもの。
この曲の第2幕第2場は今までで私が最も夢中になって聴いた音楽で、延々と続く主役二人の情熱的な愛の呼びかけ、有名な「おお、降り来よ、愛の夜で始まる二重唱」の陶酔的な高まりに何度浸ったことだろう。
ここでのニルソンの歌は彼女自身最高の歌唱で、他の誰がこれに換わる歌を歌えるだろうかと思うほどである。
残念だが、私にはどうしてもこれ以上のここで伝えたい表現の言葉が出てこない。
録音は立派な音で捉えられていて、ライヴの一番の良さである臨場感を十分に感じさせてくれる。
この曲のとっておきの名盤は、とにかくこの演奏につきる。
・カール・ベーム指揮、バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団、ヴォルフガング・ヴィントガッセン、ビルギット・ニルソン、エーバーハルト・ヴェヒター、クリスタ・ルートヴィッヒ他 <Grammophon>
しいて他にあげられるのは、歴史的名盤といわれるフルトヴェングラー指揮の盤だけである。
・ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団、コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団、ルートヴィッヒ・ズートハウス、キルステン・フラグスタート、ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ他 <EMI>

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