ルドルフ・ケンぺは、カラヤンと並んでR.Straussを最も得意とする指揮者だった。
いや、むしろカラヤンを超えてシュトラウスの管弦楽曲はもちろんオペラでも最高の演奏を聴かせてくれたと言って良い。
1976年に66歳で亡くなっているから、もう過去の人といてもよいのだが、オケの鳴らし方はもちろん、歌い手の能力を引っ張り出して歌そのものをじっくりと聴かせてくれる演奏は、いまだに私にとって忘れることのできない語り草になっている。
楽劇「影なき女」は私が最も愛するオペラの一つで、カラヤンの1964年ウィーン・シュターツオペラのライヴをよく聴いていたが、新宿ディスク・ユニオンで見つけたケンぺ指揮のもの(好きなレーベル・WALHALL)は、本当に目っけ物で今はカラヤンのものと、とっかえひっかえ聴いている。
歌い手ではリザネックの皇后役が一番素晴らしく、M.シェヒ、そして男性陣も水準以上の歌を聴かせてくれているのが嬉しい。
この曲この一枚として、ケンぺの「影なき女」は、取り上げずにはいられない。
以下にこの曲のベスト演奏を上げておきたい。
・カラヤン指揮、ウィーン・シュターツオペラ、W.ベリー、C.ルートヴィッヒ<1964Live Grammophon>
・ケンぺ指揮、バイエルン国立歌劇場、J.メッテルニヒ、M.シェヒ、H.ホップフ、L.リザネック<1954Live WALHALL>
・ベーム指揮、ウィーン・シュターツオペラ、W.ベリー、B.ニルソン<1977Live Grammophon>
・ベーム指揮、ウィーンフィルハーモニー、P,シェフラー、C.ゴルツ<1955DECCA>