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毎日が観光

カメラを持って街を歩けば、自分の街だって観光旅行。毎日が観光です。

将軍殺し

2009年08月17日 12時37分20秒 | 観光
 夏休み明け最初の仕事が倉庫からの出荷。近くにあるのでぷらぷら歩く。
 ここら辺はぼくの小学校の頃の学区。よく遊びに行った赤木くんの家もある。赤木くんちはお金持ちで、彼の部屋にはわれわれの垂涎の的であったサンダーバード基地や鉄道のジオラマやら、さまざまなものがあった。
 赤木くんのおかげでぼくはぼくなりのお金持ち定義を身につけた。
 ぼくにお金持ちと認められたければ、次の2つの存在が必要である(しかし、ぼくなんかに認められたいとわざわざ思うお金持ちは、すでにその段階でお金持ちではないような気がする)。
 さて、そのひとつは勝手口の存在である。かつては普通のサラリーマン世帯であったさざえさんちにもある勝手口であるが、現代においてもこれをはずすわけにはいかない。いや、むしろ希少価値という点で、まさにお金持ちにふさわしいステータス出入り口と言ってもいい。「うちには勝手口あるよ。そのかわり玄関ないけど」というのはなし。
 もうひとつは他人の存在である。お金持ちの家には、血の繋がりのない他人が住んでいる。書生でも女中でも執事でもお抱え運転手でもかまわない。失踪したお姉さんの子どもというのは血の繋がりがあるからだめ。3番目の子と5番目の子は血が繋がってないけど………という事情も考慮しません。
 赤木くんちにはどちらもあった。あるとき、赤木くんは、何気ない顔をして、「うちってさ、むかし将軍殺しちゃったから、名字から公って字をはずしたんだ」と話した。
 将軍、殺す。小学生にとってその2語は2語ともとんでもなく非日常的な言葉だった。一瞬何を言っているのかわからなかった。
「だから、昔は赤松って名字だったんだって」
 あー、知ってるぞ、それ、こないだ社会の時間に見たテレヴィでやってたぞ。赤松なんとかって、室町時代に将軍殺したよな、赤木くんちって室町時代から延々歴史背負ってるんだ。
 感心した。さきほどのお金持ちの定義に、もう一つ歴史を加えたいところだが、まあ、二つだけで勘弁してやろう。
 赤木くん、今何してるんだろう? 将軍殺そうと計画してたりしてないだろうか。
 ま、今の日本に将軍などいないから杞憂であるのだけれど。
 はっ、松平健。
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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (aquira)
2009-08-17 14:35:46
 いえいえ、すみません、だなんて、そんな。
 笑っていただけてうれしいです。
 松平健の無事を祈っています。
返信する
ふふふ~(ホントは、ワハハ!) (Honey)
2009-08-17 13:25:59
最後の1行、すごい笑えた~♪

すみません。

ってくらいです。
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