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小栗忠順展 明治大学博物館

2008年04月24日 09時25分28秒 | 観光
 群馬というと、かかあ天下に空っ風、そして義侠心が有名らしい。
 江戸末期、役職を解かれ、知行地である群馬に向かった一家があった。そこは別に彼の故郷であるわけではない。彼は江戸生まれの江戸育ち。群馬の権田村(現倉渕村)の人々はその一家を大切に扱った。
 彼と息子、家来がその後罪もなく、取り調べすらなく斬首されると、会津へ脱出する未亡人などを護るために、村人たちが護衛隊を作ってずっと付き添った。途中、金策のために数人が戻ったり、薩長と戦って死亡者が出たりなどしながら、会津から江戸、江戸から徳川家が移封された静岡まで苦労を重ねて送り届け、乞食同然の姿で村に戻ったのだ。無償の行為であった。
 倉渕村の人々は、今でもその小栗忠順を大切にしている。彼らは小栗忠順や息子、家人のために毎年小栗祭を行い、また、彼の業績をたたえた展示物を作り、人々に伝えている。かかあ天下に空っ風は知らないが、その義侠心には頭が下がる。
 今回、東京で初めての「小栗忠順展」は、その展示物を用いての開催である。


 撮影禁止なので、内部の写真はないが、よくまとめられた展示であり、彼の業績がよくわかるようになっている。ただ全部を展示できないので、会期を2回に分けて、前期が生涯、後期が渡米使節となっている。
 ぼくも小栗忠順を敬愛し、こないだ横須賀に行ったのも、もちろん小栗忠順散歩のためだった。

 小栗忠順については東善寺のこのページが詳しい。今年は倉渕村の小栗祭にも参加したいものである。

 さて、明治大学博物館はこれはなかなか面白いところなのであった。常設展だけでも行く価値はある。


 明治大学と言えば、考古学が有名だ。岩宿遺跡も発見者の相沢さんとともに発掘にあたったり、諏訪方面の発掘でもリーダーシップをとっている。
 明治大学黒曜石研究センターなんてマニア好みの施設もある。
 去年諏訪に行った時、神長官家でミシャグチ神の本拠みたいな社殿を見た。本拠なんだけれど、ものすごく小さい。そこに何気なく黒曜石が置かれているのを見て、ああ、縄文だと感心したものだ。こないだ行った奥多摩の博物館にも和田峠の黒曜石があった。
 


 明治大学というともう一つ。刑法博物館が有名だった。それを受け継いでの展示。これは鉄の処女。中に人を入れ、ガチャンと閉めるわけですね。他にもギロチンや貞操帯、本物の磔写真、獄門写真など、おー、と思うものがたくさん。
 貞操帯というと、女性が浮気しないようにつけるものというイメージがあるが、あれは嘘らしい。本当は女性に対する虐待、拷問用に使われたものだとのこと。
 他にも明治初期の絞首刑方法など、ほほう、と思うようなものが多く、面白い。
 縄文、刑罰だけじゃなく、さまざまな展示があって、なかなか楽しめるところ。場所も丸ノ内線・総武線のお茶の水からすぐそばなので、お近くの方はぜひどうぞ。
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