毎日が観光

カメラを持って街を歩けば、自分の街だって観光旅行。毎日が観光です。

帰省してみたりしました

2007年02月06日 13時48分17秒 | 観光
 先日いつもより早く起きたので、久しぶりに生まれ故郷に帰ってみることにした。
 ぼくの年代だけなのか広く聞いていないからわからないが、ぼくの年代の多くの人間は貰いっ子だ。最初はぼくだけかと思ったのだが、話を聞くと多くの人間が「俺もそうだ」「私もそう」と名乗りを上げてくれた。

 ここがぼくの生まれ故郷。早稲田から都電で一駅の面影橋。
 親が言うには、ここで乞食からぼくを貰ったそうだ。この貰いっ子神話には、橋の他、駅、あるいはガード下などのヴァリエーションが存在することがその後様々な人の話からわかった。それにしても、どれもどこか異界に接続しているような気のする場所であることが大変興味深い。
 子どもの頃、親に言われたことありません? お前はガード下から拾ってきたんだよ、などと。
 ぼくの親はもうちょっと手が込んでいて、彼らの話によると、面影橋にいた乞食は赤ん坊のぼくと犬と鸚鵡を飼っていたそうだ。乞食は、3つは大変なのでどれか一つ貰っていってくれ、と言う、かわいそうだから人間のお前を貰ってきたのだ。
 ぼくがいたずらをしたりすると、だから彼らは顔をしかめてこう言ったものだ。
「あーあ、あのとき鸚鵡にしときゃよかった」

 この面影橋というところは太田道灌の話で知られている。狩りの途中で雨に降られて難渋し、一軒の苫屋を見つけ蓑傘を所望した。で、そこに住む女性が山吹を差しだして、トンチと和歌の知識を披露したっていう話。いい時代だ。歌道に暗いぼくだったら、「ああ、悪いんだけれど、うち貧乏で蓑ないんですよお、へへへ」と直裁に済ましてしまうところを、後拾遺和歌集の知識まで引っ張り出して断ってる。

 朝日を浴びた南蔵院。怪談乳房榎由来の榎が植わっている。ここからすぐのところには江戸五不動の目白不動がある。今住んでいるところから自転車で10分。ものすごく狭い世界で生きている。故郷は遠くにありて思うもの、などと一度やってみたい気もする。

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