雨の街では
夜はすべてのガラスである
口紅で
彩色された
たとえば君
の透明なジェラシィ
または
シャボンの円錐
の上
の金髪の月など
夢は翼あるガラス
である
遠い
夜の空に
きらめいている
ガラスの旗のように
純粋
のエスプリ
の結晶
の石竹いろの
アヴェニュをよこぎつていく
永遠的なシルゥエット
北園克衛「ソルシコス的夜」より
そう言えば、先日6月6日は北園克衛の命日だった。言葉が色や形のシンボルであり、意味によって詩を作らない彼の詩に初めて触れたときの、頭の中に実に新鮮な響きが鐘の音のように巻き起こった感覚をいまだに覚えている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます