毎日が観光

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桃栗三年柿八年達磨は九年俺ジャイアント

2008年09月16日 17時11分43秒 | 観光
 「水曜どうでしょう」という番組がある。北海道ローカルの番組だったのだが、今は全国のローカル局で放送されている。東京でも毎週水曜日夜11時からMXテレビで見ることができる。
 番組の内容は大泉洋と彼の所属する事務所の社長鈴井貴之が、ディレクター2人とともに過酷な旅をするというもの(もっともぼくがかなり好きなのは、旅をしない「夏野菜」なんだけれど)。レンタカーでオーストラリアを縦断したり、アメリカを横断したり、深夜バスだけで北海道から九州まで旅をしたり。中でもホンダカブを使っての旅はなかなか見応えのあるものだ。東京から北海道まで、あるいは京都から九州、挙げ句はハノイからホーチミンまでの原付ベトナム縦断。
 その原付東日本制覇で彼らが訪れたのが群馬県にある少林山達磨寺。ここで購った達磨はのちのち、結婚したり、子どもをもうけたりと、さまざまなものが登場するこの番組の中でも出色のアイテムとなった。
 土曜日にtotoが的中し、翌日曜日の4試合次第では大変なことになってしまいかねない状況を前に、ぼくは思ったのだ。そうだ、その少林山達磨寺まで達磨を買いに行こう。
 電車でなんか行かない。昔の人が四国八十八カ所を回ったように、自分の力で行く。そう、ぼくには自転車があるじゃないか。
 荒川サイクリングロードに入り北上する。
 雨。
 最初からときどき雨粒を感じてはいたが、ちゃんとした雨になってしまう。ちょうど朝霞水門にさしかかったところだったが、少し戻って橋の下で雨宿りする。なんだか出鼻をくじかれた気分だ。
 橋の下で佇んでいると、足下に片方の後ろ足のとれたバッタがいた。その横を小さな赤く細長い虫がくねっていく。バッタは赤い虫を見ないし、赤い虫もバッタを見ない。ぼくは上から黙ってそれを見ていた。
 まるで地上のメタファーだ。傷を負った者、地べたをはいずり回る者、それを上から黙って見ている者。そこにコミュニケーションはない。フェリーニの「甘い生活」を思い出す。あの映画のテーマの一つはコミュニケーションの不可能性だと思う。
 雨が上がり、再び走り出す。朝霞水門にはキバナコスモスが咲き、気分を少し晴れやかにしてくれる。


 荒川サイクリングロードで熊谷に出る(一言で片づけたが、この間に70kmほど走っている)。ここから国道17号線、高崎からは国道18号線へ。
 家を出て120km。少林山達磨寺到着。


 この達磨寺。なかなかおもしろくすてきなところだった。
 では、次回、「達磨寺 芸能の誕生」、銀河の歴史がまた1ページ。
コメント
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