東京駅八重洲口を出て国際フォーラムの方へずっと歩く。
富士屋ホテルの路地を入ると、「三日月」というお蕎麦屋さんがある。
最近流行っているしゃれた感じのインテリアのお店は、しかし、おしゃれが売り物ではない。
蕎麦はエッジが立ち、コシ、味、喉ごしともに素晴らしく、つまみもどれも完成度の高いものばかり。
今日は、玉子焼きと鴨の台抜きをつまみにビールを飲み、もりそばを食べる。玉子焼きはだしも使っているが、東京風のもの。
最近は関西風のふわっとしただし巻きを出すところが多いけれど、東京の玉子焼きはこんな感じ。どちらもそれぞれ、よさがあるが。
鴨の抜き。抜きは台抜きのことで、蕎麦抜き、という意味。つまり、鴨南蛮の蕎麦抜き、というわけ。ぼくはよく天ぷらの台抜きを頼む。メニューに載ってなくても、ちゃんとした蕎麦屋さんで、天ぷらのあるところならやってくれる。
最初パリパリっとした食感を楽しんで、ちびちび飲んでいくと、つゆに浮かんだ天ぷらが時間が経つにつれ、つゆを吸い、次第にほころんでゆく。今度はその食感を楽しむ。
残念なことにこの店に天ぷらはない。そこで鴨の台抜きを。鴨はやわらかく、つゆは繊細。大変おいしい。
しかし、このお店も今度の日曜日(4/23)をもって閉店。入っているビルの老朽化が原因だとのこと。
おまけにどこで再開するかさえ未定。残念だ。