伊勢神宮に関する歴史博物館として明治42(1909)年に完成。 建物の設計は片山東熊・高山幸次郎によるもので、2人はちょうど同じ年に完成した赤坂離宮(現・迎賓館)でも一緒に仕事をしています。 外壁を白い花崗岩と花崗岩風に加工したレンガ(備前陶器会社専売花崗岩煉化石)で仕上げているので石造りの建物に見えますが、元はレンガ造りの平屋建てで、戦災で外壁を残して内部を焼失した為、RC造で2階を増築したようです。 戦災前の写真を見ると中央にドームが載っかり、屋根は陸屋根のようになっていました。 三重県伊勢市神田久志本町1754-1 05年12月下旬他
※写真が一部大きくなります
参考 『東海の近代建築』 1981 戦災前の写真が掲載されています
『総覧 日本の建築5 東海』 1986
※おまけ 神宮農業館(明治38年築 1905)。 我が国の農業に関する博物館として建設。 徴古館に対してこちらは和のイメージ。 設計・片山東熊?
同じく 神宮文庫(大正14年築 1925)。 設計不詳。
片山氏については、戊辰戦争がらみでいろいろ調べたことがあります。
奈良国立博物館の設計でも知られていますね。
旧帝室立の建造物を多く手がけ、もともとは長州藩士。
会津若松城に攻撃参加した侍。
なにかの本で赤坂離宮の設計青写真を見たことがあります。
武士らしい極めて几帳面で細やかな図で、「芸術」と思いました。
伊勢神宮の敷地(境内)は、あまりにも広大で見落とすというか行けれない施設が多すぎます。 ミカエル
片山東熊は宮廷建築家として活躍しましたから、奈良や京都の両国立博物館、
それにもちろん旧赤坂離宮など荘厳で溜息が出てしまうような立派な建築がありますね。
まさに「明治」という時代のイメージ通りの建築家だったと思います。
幕末~明治の山口(長州)は本当に人材の宝庫で、当時の人材育成技術や風土といったものは現代にも引き継がれているんでしょうね。