旧五十嵐歯科医院

2008-04-08 07:05:10 |  静岡県











 大正3(1914)年頃に建てられた個人医院兼住宅の建物。 大正7(1918)年頃に西側部分(正面向って左手の、一歩下がった所)、昭和13~14(1938~39)年には玄関から右側の部分と、2度の増築がなされ現在のような形態の建物になったそうです。 
 
 以前からあった明治期の町家を洋風に改築したともいわれるだけに、内部には通り土間があり、タタミ敷きの和室が基本になっています。 建物前面だけでなく、背面にも大きな窓が開いているので中は結構明るい感じ。 近江八景や富士松原が描かれた欄間飾りも見事なもので、家具に嵌めこまれた(?)大きな金庫などもありました。 玄関入ってすぐの階段を上がれば、2階はレトロな診療椅子が置かれた治療室や年季の入った技工室などになっています。 建物は旧東海道に面しているので、この治療室から見えた往時の蒲原の町並みは、患者さんにとっても楽しみの一つだったのかもしれませんね。
 現在、建物は無料で公開されてますが、もっと詳しく知りたければ邸内で売っている『旧五十嵐邸物語』がお勧めです。 建物の説明は勿論、修復や保存についての作業の一端が写真付きで解説されているので大変分りやすいものになっています。  静岡県静岡市清水区蒲原3-23-3  07年02月上旬他    
 

 ※おまけ こちらはすぐ近くで見つけた楳田医院。 大正7(1918)年の建物(『静岡県の近代化遺産』では大正初期築になっています)。