平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ALWAYS 続・三丁目の夕日

2008年03月11日 | 邦画
★この作品を見ると自分が茶川先生(吉岡秀隆)たちのいる三丁目に住んでいる様な感じがする。
 よく知っている人たちと再び出会えた様な。
 淳之介(須賀健太)くん、随分大きくなったねと言える様な。
 まさに三丁目ファミリーだ。

 DNAということも考える。
 実際には生きていないのに、あの風景が懐かしく感じられるのはDNAゆえか?
 あの風景を見ていると、昭和のあの時代が持っていた生活感や価値観がよみがえって来る。
 まさに映像の魔力だ。

★物語は各人各様。それぞれにドラマを抱えている。
 
 茶川先生は淳之介やヒロミ(小雪)のために芥川賞を獲ることを決意。
 鈴木則文(堤真一)は戦争で逝った戦友のことを考え、自分は幸せでいいのかと問う。
 トモエ(薬師丸ひろ子)は戦争で結ばれなかった恋を思いながら、現在の幸せに思いを致す。
 六子(堀北真希)はいっしょに上京した幼なじみを心配する。
 一平は鳩子の美加のことが気になる。

 物語は茶川先生が芥川賞を獲れるか?淳之介、ヒロミという家族を持つことができるかというクライマックスに向かって集約されていく。
 ネタバレになるので書かないが、茶川の書いた小説をめぐる三丁目の人たちのリアクションは一番の見せ場。
 人の成功とは、賞とかお金でないことがわかる。
 それはパート1で、淳之介が茶川の「冒険探偵団」の熱心なファンだったのと同じだ。茶川はひとりの熱心なファンがいることで救われる。

★パート2ではパート1で描かれたモチーフが別の形で変奏される。

 鈴木家にやって来る人物(パート1では六子、パート2では美加)
 淳之介の万年筆と美加の24色色鉛筆。
 宅間先生(三浦友一)の見た夢と鈴木社長の夢。
 六子の母の手紙と茶川の小説。(人と人を結びつけるアイテム)
 トモエが一平のために継ぎ接ぎしたセーターと六子たちに作ったドレス。
 力道山を応援する人々と「嵐を呼ぶ男」に熱狂する人たち。
 テレビを見るために集まる三丁目の人たちと芥川賞の発表を見るために集まる人々。

 冒頭の「東宝スコープ」から鈴木家のラジオにオーバーラップするのも同じだ。(パート2ではこの後東宝ならではの驚くべきサプライズが用意されているが)

 またラストも。
 パート1では鈴木一家が夕日を見つめるシーンで終わっているが今回は……。

※追記
 この作品は平成の時代の、VFXの世界の寅さん(「男はつらいよ」)ですね。
 鈴木社長と茶川先生との喧嘩は寅さんとタコ社長の喧嘩みたいだし。
 吉岡秀隆さんのキャスティングはその辺を狙ったのかな?

※追記
 六子が来た時の夕食はコロッケ。
 美加が来た時の夕食はすき焼き(豚であることで美加には不満を言われるが)
 鈴木家の経済状況がうかがえる。


コメント
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