シリーズに
いい感じに変化が起こりました。
「マザーウォーター」73点★★★
「かもめ食堂」「めがね」「プール」から続く
(「トイレット」はちょっと別枠ね)
おなじみのメンバーによる
ゆる系ムービー新作です。
舞台は京都。
街中を流れる川に沿うように
水に関わって生きる3人の女性たち。
ウィスキーしか置いていないバーを営むセツコ(小林聡美)
コーヒー屋のタカコ(小泉今日子)
豆腐を作るハツミ(市川実日子)。
そして散歩する女性(もたいまさこ)と
赤ん坊(1歳未満かなあ)が
そんな人々をつないでいく、という話。
発売中の週刊朝日の評にも書きましたが
このシリーズは本当に
わかってる人が
そこに流れる空気を買うという感じ。
趣味でもないのに『クウネル』を買う人
いないでしょ?という。
おなじみメンバーの呼吸と間合い。
淡々とした日常と
やさしい色調のセンスいい画。
そして
おいしいごはんのある景色を
まずは楽しみたい、という。
プレス資料の表紙もかわいいよなあ。
ただ、これがあまりに
「おっしゃれ~」で気持ちいい
雰囲気だけに流れちゃうと
鼻白むというか
参加しにくいものがあるんですが
今回はけっこう
素直に「気持ちいいな」と感じました。
まず
京都の裏路地という
舞台の目の付け所がいい。
“水”というテーマが
非常にわかりやすいんです。
そして
小泉今日子さんの登場で
空気にメリハリがついた。
(実はドラマ「すいか」つながりですねえ)
さらに
あまり子どもに縁がなさそうだったこの世界に
「ポン」と赤ん坊というモチーフを
入れたのも新しい。
しかも町中で育てる子ども、というのがポイントで
次なる潮流を感じさせました。
なんか回を重ねるごとに
こういうシリーズって
必要だなあと思ってきました。
つまりは『寅さん』みたいなものかなあと。
ぜひ続いていって欲しいですね。
★10/30からシネスイッチ銀座ほか全国で公開。
「マザーウォーター」公式サイト