ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

瞳の奥の秘密

2010-07-30 13:11:06 | は行
ミステリ&大人のドラマ好きには
最高の選択になるでしょう。


「瞳の奥の秘密」88点★★★★


本年度アカデミー賞
最優秀外国語映画賞受賞作です。←なげーな。


舞台はアルゼンチン、ブエノスアイレス。

裁判所を定年退職したベンハミン(リカルド・ダリン)は
25年前のある殺人事件をもとに
小説を書きはじめる。


それは若い新婚夫婦を襲った悲劇。

事件は一応の解決をみていたが
しかしベンハミンが
記憶の封を開けるうちに
ある衝撃的な真実が明らかになる。。。


なんてよくできた映画なんだろう。


まず驚いたのは
主人公たちの“化け”のうまさ。
25年前と現在を、同じ俳優が演じてるんですが
そうとは思えないように
それ相応に老け、そして若々しくなる。


役者の成熟度の高さに感服です。


話にはミステリー、ロマンス
シリアス、センチメタルと
いろんな要素がうまく織り込まれ、

復讐劇としては
「告白」を越える“せいせいした感”がありました。


ちょっと単純?と感じる謎解き部分は
「主人公の回想と小説」ということでうまくすり抜け
反面、冒頭の詩的にぼやけた映像にも
ちゃんと意味があったり
なかなか計算が細かい。


なにより注目していただきたいのは
主人公の相棒である酔っ払いのパブロ(ギレルモ・フランチェラ)。


この人、まるでウディ・アレンのような
ひょうひょうとした風貌でダメダメな雰囲気をかもし出し
かつピリッと効く存在感が強烈。


こんなに忘れられない脇役に
出会ったのは久しぶりです。

ぜひ堪能してくださいー。


★8/14からTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。

「瞳の奥の秘密」公式サイト
コメント (7)
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