ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

食堂かたつむり

2009-12-13 18:45:49 | さ行
ヘビーな映画に疲れたら。

「食堂かたつむり」72点★★★


おいしそうな手料理シーン
毎日を“ていねいに”暮らすことのしあわせを描く

「かもめ食堂」から続く
“ゆるカフェ系ムービー”一派です。
(ぬるい、とも言う。番長命名)


主人公は東京で失恋し
ショックで声を失った倫子(柴咲コウ)。

彼女がちょっと変わった母(余貴美子)のいる田舎に帰り
1日一組限定の食堂を開く・・・という話。

いや、話はなんてことないんですが
驚くのは
この系統の映画の
時代の空気や流行をいち早くキャッチする嗅覚。


柴咲コウのスタイルはいままさに流行りの
“森ガール”だし

登場する食べ物もより自然派、有機、地産地消の方向へ
雑誌でいうと「うたかま」「天然生活」な世界に
入り込んでいる。


古い納屋を改造した食堂は
古民家カフェ風。


原作は「王様のブランチ」で紹介されて
ヒットした小説だそうで
いまは小説のマーケットからしてそういう傾向にあるらしい。


よくまあジャストに時代を読むよなあと感心しつつ
より細分化される個人嗜好の多彩さを
改めて感じました。


嫌いな世界じゃないし
コラージュを多様したグラフィックセンスもよく
のんびり楽しめたけど

「命の食べかた」的展開の部分は
やはりちょっと許容できませんでした。

★2010年2/6から全国で公開。

「食堂かたつむり」公式サイト
コメント (4)
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