ルイガノ旅日記

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『日本の切り絵 5人のミューズ』

2020年02月19日 | 北九州
先月のことですが、北九州市立美術館分館(リバーウォーク5階)で開催されている企画展『日本の切り絵~5人のミューズ』を観に行ってきました。現代の切り絵は私の想像を遥かに超えて、息をのむほどの繊細さ、華麗さ。会場内部は撮影禁止だったため、リーフレットで紹介されている作品をいくつか見ていきたいと思います。


「5人のミューズ」とは、蒼山日菜さん、筑紫ゆうなさん、酒井敦美さん、柳沢京子さん、松原真紀さん。日本を代表する女性切り絵アーティストです。


蒼山日菜さんの作品は、レースのように細く優雅で繊細。とりわけ私が感動したのは、フランスの哲学者ヴォルテールの文字を切り上げた作品。切り絵で文字を描くこと自体もすごいですが、文字と文字をつなぐ線が蔦が絡まるようで、その繊細さに圧倒されました。興味のある方は、《岩崎電気株式会社HP:創造人×話「蒼山日菜さん(2)」》に写真が載っていますのでご覧になってみてください。蒼山さんの人柄を彷彿とさせるインタビュー内容も面白いと思います。


リーフレットの表紙になっているこの作品も素晴らしいですね。上の『Fantastique carrosse』もそうですが、これらの作品がハサミ1本で作り上げられたものとは到底信じられません。


筑紫ゆうなさんが描くのは温かみのあるファンタジックな世界で、切り絵と絵画の境界が判然としない不思議な作品です。これらは「ペーパーカットアウツ」と呼ばれ、独自の切り絵手法によるイラストなのだそうです。


酒井敦美さんは、光の当て方によって1枚の絵が別の絵に見える「一画二驚(いちがにきょう)」という独特の手法を用いています。一枚の作品の中に物語性が感じられる光の切り絵でした。


こちらは酒井さんの部屋(照明を使うため暗室になっています)の奥に展示してあった『春の羽根』という作品。


長野県の美しい風土をモチーフにした切り絵を作り続ける柳沢京子さん。ドイツ各地やニューヨークでも多くの個展を開いています。


『勢い響く羽音』


福岡県八女市出身の松原真紀さん。季節の草花や動物の作品を多く手掛けており、固定観念にとらわれない独創的な作品が多くありました。


『恋は野の鳥』


蒼山日菜さんのクリアファイルと、松原真紀さんのポストカードを買って帰りました。


切り絵とは、ハサミやナイフで紙を切って描く絵画。とは言え、今回の企画展の作品は、もはや「切り絵」という概念を越えているような緻密さ、繊細さで、本当に驚かされました。
(『日本の切り絵  5人のミューズ』は3月1日(日)まで開かれています)

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2 コメント

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切り絵 (Dukeさま)
2020-02-24 16:57:00
ずっと気になっていきたくていけないのです!
繊細な仕事だと思います
今日、黒崎店に行ってきて黒崎方面にはこのような
美術品を見せるところは少ない(美術館までいけばちがいますが・・・)
私はお店が近いのに、大学の販売には行くのに?
行動が伴いません。会場に立ち寄ると良いのですが!!
娘が何処か安くて立ち寄りやすいお店はと言ってましたので(Duke様)のブログに紹介してあるので
それを見て飲みに行ったら(ぱぱちゃん)と教えました?
特派員様がお友達を連れていかれて美味しい店と
良い雰囲気をご存じよと伝えています
参考にさせてくださいネ~~
私は飲みません、外食しません・・(自宅専門)
男の方は楽しむ場所が違いますね(わらい)
返信する
re:切り絵 (Duke)
2020-02-24 19:01:35
tangoさん、こんばんは (^-^)ゞ
紙を切るだけで、いろんな表現ができるものなんですね。
切り絵の繊細さに驚かされた展覧会でした。
観に行ってよかったです。

ブログが役に立つのであれば嬉しいです。
参考になる店があるといいのですが……。
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