ルイガノ旅日記

あちこち出かけた場所で目にとまったもの、
心惹かれたものを紹介しています。
よかったらおつきあい下さい。

大空への憧れ

2006年12月31日 | 青森
三沢の街を歩いていると、赤いプロペラ単葉機の絵や模型をよく目にする。これは「ミス・ビードル号」と言って、初の太平洋横断無着陸飛行に成功した飛行機だ。
リンドバーグによる大西洋横断飛行に遅れること4年(1931年)、米国人クライド・パングボーンとヒュー・ハーンドンは、このミス・ビードル号で三沢市淋代海岸を離陸し、41時間10分かけて太平洋を横断、米国ワシントン州ウェナッチ地区に胴体着陸した。現代なら成田からシアトルまで約12時間。その3.5倍の時間をかけて世界初の太平洋横断飛行に成功したというわけだ。この快挙を支えたのは、分厚い杉板による滑走路構築、ガソリンの輸送・積載、機体整備など、地元住民による全面的な協力だったという。ミス・ビードル号が離陸した三沢市、着陸した米国ウェナッチ市及び東ウェナッチ市は、姉妹都市として友好関係を深めているそうだ。


現在は在日米空軍が所在するなど、三沢市はなにかと「空」に関わりの深い町だ。三沢空港に隣接して三沢航空科学館がある。あいにく今日から1月1日まで休館で、航空科学館はもちろん、周囲の公園に入ることもできなかったが、いつもの週末は家族連れで賑わっている。

航空科学館へのアプローチの両サイドには、電柱のような青と赤の奇妙なポールが連なっている。

近くによって見ると、ミス・ビードル号を模してデザインされた街灯。ちょっとおしゃれで、統一されたイメージが印象的なアプローチだ。


三沢空港を出たところにある「三沢空港温泉」。露天風呂や電気風呂、薬草風呂などがあるため比較的人気の高い温泉だが、私たちは桂温泉フリークなので、あまり行くことはない。ちなみに、三沢空港離発着の航空券を見せると無料で入浴できる。

2006年12月31日。今年も残すところ7時間を切りました。振り返ってみれば、立ち止まって考えることもなく、ばたばたと慌しく過ごしてきた1年だったような気がします。(毎年そうなのかも・・・?) このブログも、立ち消えの危機を乗り越えつつ、何とかここまで続けることができました。(実は、もうじきブログ開設1周年です。) 来年は、もう少し頑張ってルイガノ旅日記を続けていきたいと思います。今年1年お世話になりました。新しい年が、更に充実し、希望に満ちた年となるよう心から祈念しております。良い年をお迎えください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大晦日の八食センター

2006年12月31日 | 青森
八戸の台所、八食センター。年越しと正月の肴を仕入れるため、大晦日の八食センターに出かける。案の定、駐車場待ちの列ができるほどの人出で、期待どおりの活気ある市場めぐりができた。


人の群れで溢れ返る場内。さすがに大晦日、いつもの週末どころではない。目当ての店まで辿り着くのにもひと苦労。数年前に出かけた大晦日のアメ横にも勝るとも劣らない混雑ぶりだ。市場の活気は、何度味わっても楽しい。


ところ狭しと並ぶ北国の海の幸。毛ガニ、タラバガニ、真鱈、アンコウ、きんき、イカ、ホタテ・・・・。優柔不断な私には厳しい環境。目移りして選べない。


青森と言えばホタテ。八食センターに並ぶホタテは、スーパーに出回るホタテの二まわりも、三まわりも大きい。


青森の冬の味覚の代表は、なんと言っても「真鱈」。青森では、この時期最もポピュラーな魚だ。内臓も含め、鱈一尾すべてを食べ尽くす「じゃっぱ汁」は、厳しい冬の寒さを吹き飛ばすほど、体が温まる鍋料理。肝を加えるとコクと旨みが格段にアップする。
「キク」というのは鱈の白子のことで、ねっとりと濃厚な味わいが身上。当然、雄のほうが市場価値が高くなる。


これがその白子。フグの白子が西の横綱なら、真鱈の白子は東の横綱と言ってもよいかもしれない。鍋に入れてももちろん美味しいが、新鮮なものは生に限る。ポン酢と紅葉おろしで味わう真鱈の白子は何とも言えない旨さだ。


こちらは、煮ても焼いても旨い「きんき」。この時期、きんきは脂をたっぷりと蓄えて最高に旨くなる。

車で40分も走ればこんな市場で新鮮な海の幸を手に入れることができる恵まれた環境。とれとれの海の幸あり、生活の一部として馴染める温泉あり。東北は懐が深く、実に魅力的な土地柄だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

発泡性日本酒「しずくいし」

2006年12月31日 | お気に入り
旅先での楽しみはその地方の郷土料理だけではなく、地酒もまた旅気分を大いに盛り上げてくれる。地方の酒屋に立ち寄ると、さまざまな種類の地酒が並んでいて、気持ちよく圧倒される。地酒のラベルや特徴についての説明など、見ているだけでも楽しく、飽きることがない。ただし、出かけるときは常に私がドライバーなので、その場で試飲できないのが非常に残念。
今回の旅では、岩手県雫石町の蔵元で造られている「しずくいし」を選んだ。岩手山の伏流水で仕込まれた香り豊かな日本酒だ。

いわゆる濁り酒の一種。写真では鮮明ではないが、上澄みと沈殿した部分がくっきりと分かれている。蔵元のお勧めによれば、最初に透明な上澄み部分のワインのような香りと口あたりを楽しんで、その後濁り酒を味わうのが良いようだ。この酒は強い発泡性があり、相当な時間静かに保存していないと、封を空けた瞬間に酒がふきこぼれてしまう。実は、写真の「しずくいし」は2本目で、最初の一本は見事に爆発させ、台無しにしてしまった。(諏訪湖の間欠泉をご覧になったことがありますか? まさにあんな感じで噴出しました。 あ~ぁ、返す返すも残念!)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

田沢プラトーホテル

2006年12月30日 | お出かけ
旅先ではその土地ならではの味を楽しみたいもの。プラトーホテルでは、秋田の郷土料理を囲炉裏で味わわせてくれる。煙に燻されて黒光りしている鍋を吊るす縄や自在鉤、天井の梁。囲炉裏がかもしだす雰囲気に郷愁を誘われるのは、日本人のDNAのせい?

初日の夕食は、ハタハタやきのこなど、具だくさんのしょっつる鍋。「しょっつる」というのは、能登の「いしる」、タイの「ナンプラー」などと同じく、塩漬けにした魚を発酵させて作る魚醤の一種。手前で焼いているのは天然ものの岩魚。ちなみに、二日目はきりたんぽ鍋。こちらも秋田を代表する鍋料理で、比内地鶏のダシが最高!

米は昔ながらの竈炊き。ほのかな甘さと適度な噛み応えがあって、とても美味しいご飯でした。


本館の内湯は、やや白濁した半透明の単純硫化水素泉。さほど強烈ではないけれども、たちこめる硫黄のにおいが温泉情緒を高めてくれる。この風呂は、ホテルの最も奥まった位置にあり、山の斜面に面している。初日の夜、月明かりに浮かぶ雪景色を眺めながらの入浴はまた格別だった(この写真は、翌日の朝撮影したもの)。キリッと冷えた日本酒があれば言うことはなかったのだが・・・・。


こちらは、ホテル裏手のブナ林に囲まれ、独立した樽風呂。大きくはないが、貸切なので一人でもゆったり入ることができる。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宮沢賢治ワールド

2006年12月29日 | お出かけ
岩手・秋田を巡る年の瀬も近い二泊三日の旅。宿は、田沢湖温泉郷にある田沢プラトーホテルのコテージ。和室と洋室があってゆったりしており、本館と離れていることもあって、未唯(「みゆ」と読みます。16歳のミニチュア・ダックスフント)連れでも心おきなくのんびりと過ごすことができた。右上の写真がそのコテージ。このアングルだと良くわからないが、奥に向かって玄関・トイレ・風呂、洋室、和室と並んでいて、内部はゆったりしている。


行きの東北道、岩手山SAから撮った岩手山。東北道を青森側から走っていると、ゆっくりと右にカーブしていった次の瞬間、岩手山が一気に姿を現す。実に雄大で逞しい山だ。

初日は、岩手県花巻市を訪れ、宮沢賢治ゆかりの場所を散策。宮沢賢治記念館、イーハトーブ館などがあちこちにあって、独特の賢治ワールドの一端を垣間見ることができる。

イーハトーブ館。賢治は、故郷の岩手県を「イーハトーブ」と呼び、理想郷を重ね合わせていたという。


宮沢賢治記念館入り口にある碑。


宮沢賢治童話村の一室。壁際にはちょっと風変わりな椅子が並んでいて、誰でも自由に座って、賢治ワールドに思いを馳せることができるつくりになっている。


同じく童話村の一室。こちらは、銀河鉄道をイメージした部屋。本当はもっと暗いのだが、撮影ができないためフラッシュを使用。


プラトーホテルへ向かう途中、夕焼けに染まる田沢湖に立ち寄る。湖の縁辺部では既に氷結が始まっていた。


夕日を浴びた駒ケ岳。地面では静かに雪が舞い上がってきて、幻想的な風景だった。

翌日は盛岡市内を散策。市内には、宮沢賢治・石川啄木青春記念館や岩手銀行などのレトロな建築物が、当時そのままの姿で残っている。

岩手銀行中の橋支店。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする