パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

あの本田君に似ている小室哲哉が……

2008-11-04 23:00:02 | Weblog
 小室哲哉が詐欺で捕まったが、TMNはブレークするちょっとまえにインタビューした。

 場所は赤坂のツインタワーの一階の喫茶店で、一つに机に3人座って、アイスコーヒーを挟んで話を聞いたが、私は全然知らないので、木暮会長がほとんど代りに聞いてくれたように思う。

 私は聞くことがないので、木根さんはとんねるずの木梨に、宇都宮さんは、誰だっけ、「燃えろいい女」の人に、そして小室さんは、あの本田恭章君に似ていると思うが、言われたことはないか?なんてバカなことを聞いて、3人とも笑って見逃してくれたっけなあ。

 しかし、小室が捕まったので、音楽業界が、小室が関わった楽曲の配信をすべて停止したんだそうで、TBSラジオの「アクセス」で、今、それを取り上げているが、私はこの番組にアクセスするつもりはないので、ここで書くことにした。

 一言で言えば、そんなことしなければならない理由なんか全然ないじゃないか。

 これじゃあ、小室氏は、今後一切、音楽を通じて収入は得られないわけで、まあ、小室氏個人が今後どう生計を立てて行くかということで言えば、ガードマンでもなんでもやればいいが、しかし、ガードマンの収入では今回だまし取ったという5億円は絶対に返せないわけで、そんな状態に人を追い込んでいったい何になるのだ。

 小室氏のためにもならなければ、被害者である人のためにもならない。

 なんだかんだ言っても、今もTMの音楽が好きという人は少なからずいるはずであって、もちろんその人のためにもならない。

 まさに、三方丸損。

 この構造は、姉歯の偽装設計事件のときと同じだ。

 姉歯を叩けば姉歯物件の資産価値がゼロになることは目に見えているので、なんとかそれを最小限に押さえるべきだったのだが、マスコミはそんな視点は微塵もなかった。今もない。不動産不況の一因が自分達の報道姿勢にあったことなど、考えたこともない。(なぜなら、バカだから。)

 今回も同じだ。

 はっきり、「うちは配信を続けます。皆さんが小室プロデュースの音楽を買ってもらえばもらえるほど、今回の悲劇の被害は少なくなるはずです」とかなんとか言って。

 それを、周りの業者がどう出るか、「とりあえず、様子見」なんて、なんとも情けない。

 要するに、自分で決めていい話なんだから、自分で決めればいい。

 今、ラジオのスイッチを入れたら、視聴者が、こんなことを言っていた。

 「私は、小室氏の犯罪と彼の音楽の価値は関係がないと思うが、犯罪者がつくった音楽を流すとはけしからんと言ってくる人がいる限り、レコード会社としては、配信中止もしょうがないのかも」。

 なるほど、クレーマーか。

 クレーマーはいてもいいと思うが、今回は、もしいても、理屈は立たないと思うがなあ。

吃驚!

2008-11-03 21:35:44 | Weblog
 吃驚したことに、中国では農村戸籍と都市戸籍があって、農村戸籍の者は原則的に,都市に住むことはできないんだそうだ。

 住むどころか、農村戸籍の者が都市で働くことも原則的にできない。都市で働こうと思ったら、その都市の当局から許可証、つまり、ビザのようなものの交付を受けることが必要で、しかし、交付を受けて、都市に晴れて住むことが許されても,許されるのは当人だけで、子供は、たとえば義務教育を受けることもできなんだそうだ。

 どこかの会社で働くとしても、都市戸籍をもつ社員が健康保険を始め、各種保険、年金を会社側が相当の割合(4割近くらしい)を負担するのに対し、農村戸籍の社員にはそのようなものは一切なしだそうだ。

 子供に義務教育を受けさせることもできないのだから、医療等は推して知るべしであろう。

 このように決まったのは別に昔からの伝統でそうなったというわけではなく、1958年の人民会議で、多分,毛沢東の指示だろうが,都市戸籍と農村戸籍を分けることが憲法に書き込まれたんだそうだ。

 なんでだろう? 岡田英弘氏によると、中国は、「漢」が、三国志でおなじみの黄巾の族の反乱で滅亡して以来、各王朝は、必ず決まって、農村から都市に流入してきた過剰になった人間がの反乱で滅亡する繰り返しだったという。

 つまり、戦乱を終結させればやがて経済が発展し、都市は豊かになり、その富を求めて農村から人がやってくるが、その人々をすべて食べさせるほどの力はなく、新王朝は間もなく崩壊し、やがて新々王朝が後を継ぐと、やがてまた経済が発展し、都市は豊かになり、その富を求めて農村から貧しい人々が…の繰り返しが中国の歴史だと言うのだ。

 もしかしたら、毛沢東は、この轍を踏むことを恐れて,憲法に都市住民と農村住民を分けて、農村住民が都市に流入することを防ごうとしたのかもしれない。

 理由はともかく、その弊害が最近あまりにも大きくなってきたので、中国当局も「改善」に乗り出してはいるが、正直言ってめどは立っていないらしい。

 そうだろうなあ、と思う。

 なぜって、そもそも、近年の中国の経済発展をどう見るかにしたって,農村の住民に対する徹底差別政策があったにも関わらず、高成長してきたのか、それとも差別政策があったが故に、高度成長を果たしたのかどちらかと言ったら、明らかに、都市戸籍と農村戸籍の「差」を利用して農村住民を搾取し放題に搾取してきた結果だろう。

 新聞等は、中国の生産コストが低く抑えられたままの理由を、農村に無尽蔵の働き手が控えているので賃金上昇が抑えられていると言っていたが、実際には、制度的に低く抑えることが可能だったのだ。

 おかしいなとは思っていたのだ。いくら中国の人口が多いったって、「無限」というわけじゃないのだから、制度の助けがなければ、あんな低賃金は絶対に維持できない。

 まったく、いつも決まって肝心なことを報道しないアホバカ糞マスコミめが。

 と、相変わらずのマスコミ攻撃で、今回も、お開きということで。

フランク永井の思い出

2008-11-02 20:05:56 | Weblog
 役人の頭の中がどうなっているかということを紹介しよう。

 すでに何回か書いたことがあるのだけれど、もう十数年以上前の話だ。

 月光がつぶれてしまって(とほほ)、四谷3丁目の事務所を引き払い、友だちの世田谷の事務所に間借することになった。

 そこで、バックナンバーの発送を行ったのだが、郵便局員が集荷に来てくれた。

 その後、本郷に事務所を借りたのだが、そこで集荷に来てくれないかと郵便局に頼むと、できないという。

 何故かと聞くと、郵便局に限らず一般に公務員は法律で命じられたことを行う決まりだが、郵便関係の法律には、「集荷」は書かれていないのでできない、というのだ。

 それで、世田谷では来てもらっていたと話すと、担当者は、電話の向こうでからからと笑いながら、こう言った。

 「それはね、お客さん、世田谷には出版社が少ないからですよ。本郷は出版社が多いのでできません」

 カッと頭に来た私はこう言った。

 「民間だったら需要があれば、それに応じる体勢をとるだろう。郵便局では、暇な時に仕事をするのか?」

 局員は、「今回、一回限りだぞ」と念を押して、集荷にやってきた。

 こっちも毎回言い合いをするのも面倒臭いし、役人の「本音」がわかったので、次からは自分でえっちらおっちらポストに運んだが、つくづく思った。

 役人というのは、「仕事」の解釈が民間とはまるで逆様なのだ。


 フランク永井死去。

 首吊り自殺を図って失敗し、その後、植物人間になってしまったと思っていたが、記事を読むと、必ずしもそうではなく、何度も「復帰」を試みるくらいに回復はしていたらしい。

 特に、作曲家が訪問してくると、まったく普通に、元気に応対していたらしい。

 そうかもしれない。うちの親父もそうだった。会社の同僚、後輩なんかがやってくると、寝たきり状態だったのが、しゃきっとベッドの上に起き上がり、アドバイスなんかをしていたらしいのだが、お客が帰ると、ぐたーってなっちゃう。

 しかし、享年76とは意外だった。

 もっと歳をとっていると思っていた。

 私が覚えているのは、「16トン」という、アメリカのワークソングを歌っているのをラジオで聞いたのがはじめてで、私は小学生だった。

 その私が、もうン十歳なんだから、フランク永井は優に80を越えていると思ったのだが…。

 自殺を図ったのが1986年だそうで、それですら、今から20年ちょっと前に過ぎない。もっともっと昔のことだと思っていたが、それは多分、自殺を図ったのが、フランク永井の全盛期をかなり過ぎていたため、その時すでに、「過去の人」になっていたからだろう。

 ……といっても、まだ54、5歳だったのだが。

 江利チエミも45だったし、美空だって50そこそこ、石原裕次郎も……というわけでそれにくらべれば、最近の芸能人は結構息長く活躍している……ように思っていいはずなのだが、なぜか、そうは思えない。

 それはともかく、各マスコミは、このフランク永井を「ムード歌謡の第1人者」と紹介していたが、ちょっとちがうのではないか。

 ムード歌謡といえば、和田弘とマヒナスターズとか、鶴岡なんとかとロマンチカなんかを言うのであって、フランク永井はもっとしっかりした、音楽として鑑賞可能な……などと書くと、ムード歌謡をけなしているみたいだけど、まあ、やっぱり音楽としては、ユニークはユニークでも、わけのわからないものではありますなあ、ムード歌謡。

 とかなんとか。