パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

高いか安いか

2008-11-14 21:07:03 | Weblog
 どこかの市の市立病院の医師が給料が安いということで次々に辞めてしまうので、給料をアップしたら戻ってきてくれたが、新市長が以前の給料に戻すと言ったので、また辞めてしまい、現在四人になってしまって、にっちもさっちもイエイ……という状態になってしまったとか。

 で、その「安い」という給料が1200万円で、アップして20000万円なんだそうで……もちろん、医師というのは大事な仕事だし、医師免許をとるまでに相当の金額がかかるということもわかるけれど……しかし、月給百万円ではとても食っていけないということはないだろう。

 医者になったはいいが、給料が安くてもとがとれない、ということだったら、それは単なる見込み違いで、「だから辞める」とはならないはずだ。

 開業医としての収入が月100万だったら、話は別だが、でも雇われている立場、給料はまるまる自分の収入になるはずだ。

 それとも、激務が続いて、体力が続かないということだろうか?

 だとしたら、「給料を上げたら戻ってきた」という行動の説明がつかない。

 と、いろいろ考えると、結局、「月百万では割りがあわない」ということになりそうだが……

 TVの解説者は、「お金の問題ではないのではないか。野球やサッカーの選手が監督の使い方に不満があるような、そんな問題なのではないか」とか言っていたが、別に調べたわけでもなく、「なんとなく、そう思う」という話でしかないようだった。

 クソ解説者め。

 しかし、わからないのはそれだけではない。

 このところ、医師不足で病院閉鎖のニュースをよく聞くわけだが、それはみな公立病院だ。私立病院ではない。

 もちろん、私立病院だって経営は楽ではないだろうし、廃業する病院も数多くあるのだろうが、すくなくとも公立病院なみの規模の総合病院で「廃業」というニュースは聞かない。

 銚子市の市立病院の場合、私立の病院に買い取ってもらうように交渉している、とか放送していたし。

 何故公立病院ばかりが、廃業したり、廃業に近い立場に追い込まれてしまっているのだろう?

 TVも新聞も、この基本的な疑問を当事者に質問してくれない。

 それとも、記者たちは、公立病院ばかりが破綻する理由を知っているのだろうか? だったら、わかりやすく説明してくれよ、と言いたい。 

 例の墨東病院も都立病院だし。

 ……と思って、ググって調べたら、墨東病院では、医師免許取得五年以内で月50数万円で、10年以内で60数万円で医師募集中だった。

 墨東病院の募集基準が妥当かどうかは別として、月百万というのはまあまあの額のようで、「給料安いから辞める」というのは、やはりちょっとおかしいようだ。