パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

おっちょこちょい

2008-10-26 23:17:12 | Weblog
 「煙のないところに炎は立たない」、と書いて、おかしいなと思い、「煙のないところに火は立たない」と訂正してみたが、正確には「火のないところに煙は立たない」でした。歳か。

 昨日、いや一昨日の「朝生」で田原が本音を言っていた。

 その「朝生」のテーマはアメリカ発の「グローバル経済危機」だったが、田原曰く、今回の危機で日本は、「世界のジャイアン、アメリカの子分から逃れる絶好のチャンスを得た」というのだ。

 私に言わせれば、世界のジャイアン、アメリカの危機に子分の日本は最大限の支援を行えってことになるのだが、その前に、アメリカの危機、すなわちパックス・アメリカーナが、本当に田原の言う通り、崩壊寸前に至ったかというと、そうじゃない。

 次期大統領が誰になったとしても、新しい大統領は、危機克服に全力をあげるだろうし、アメリカにその気力がある限りは、「子分」としては、軽々に、親分とたもとをわかつべきではないだろう。

 いずれにせよ、驚いたのは、田原が、「自立の絶好のチャンス」と言ったことだ。

 こんなことは、誰も思ってもいないのではないか。社民も共産も、「自立」といっても、ずっと以前からのお題目をずっと続けているというだけのことで、「今がチャンス!」なんて言われたら「目が点」になる思いだろう。

 なんたるおっちょこちょい。

 この「おっちょこちょい」は、前にも書いたが、世代的特徴だろう。

 筑紫なんかも、「多事争論」を看板にしているが、これも要するに、「タブーなしに、活発に討論を行えば必ずよい結論が得られる」という、実はあんまり根拠のない、おっちょこちょいな思い込みに基づくのだ。

 そもそもこの「多事争論」というのは、福沢諭吉が言い出した言葉で、彼のライバルだった日本国帝国憲法の作者、井上馨(だったっけかな?)は、衆愚がいくら議論したって益はないという立場で「多事争論」を攻撃したはずだ。

 私はどうかというと、「多事争論」は悪いことではないし、デモクラシーの基本でもあるのだろうが、その論議に加わるにはやはり最低限の知識、知性というものがなければならないわけで、井上の警句を常に念頭に置かなければならないだろう。


 田原の口癖、「私は素人だから」は、ただ話を混乱させるだけだ。

 そもそも、「私は何も知らないことを知っている」は、ソクラテスでしょう。田原はソクラテスか? 

 番組の最後に、今総選挙をすべきかどうかという一般視聴者アンケートの結果が発表されたが、ほぼ6.5対3.5で、今すぐ総選挙を行うべしだった。

 理由は「自民党政権では抜本対策を打てるとは思えないから」というもので、これには私は感心した。まったくその通りじゃないか。

 番組中、「こんな世界的危機に、総選挙なんてできるわけないじゃないか!」と大声で怒鳴っていた田原は、結果を見て、一瞬、シュンとしていたが、馬なみにバカだから、翌朝はケロっとしてるのだろうな。

 本当に、「バカにつける薬はない」のだが、そういえば、養老猛司先生は、田原と同世代ではないだろうか。

 だとしたら、世代的に言うと、すべてわかってしまうが故に、ただ、「苦笑」あるのみ、ということになるのだろうか。

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