パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

格差社会を歓迎する

2011-12-09 21:32:44 | Weblog
 つい今しがた、消費税増税に関するNHKのニュースで、街の若い女の子が街頭インタビューで「食料品は税率を低くしてほしい」と言っていた。

 消費税に関するニュースは、もう20年近く聞き、目にしているわけだが、「食料品を別にしろ」という、ものすごく当たり前の意見は、本当にはじめて聞いた。

 ところがニュースキャスターの東大卒をなんとなく誇らしく思っているらしい男と、経済部らしき解説男性は、「税率を商品によって変えるのは、いろいろ手間がかかり業者が反対するので実現する可能性はありません」と切って捨てた。

 なんだって!

 世界で食料品を無税にしているところはいくらだってある。

 というか、全商品一律という国は、日本以外どこにもない。

 それをわかっての発言か?

 イギリスでは消費税率は20%だが、食品はゼロ。

 ただし、レストラン等では20%とられる。

 そうすれば、みんな家で食事をとるようになるし、健康にも、家庭団らんにもいいではないか。

 全商品一律課税は日本だけと書いたけど、それだけではない。

 商品流通の前段階で消費税がかかるのも日本だけだ。

 つまり、仕入れる際にも消費税を払っているわけだが、この分は、申告すれば戻ってくる。

 しかし、すべての会社がそうしているわけではないし、手続きもいろいろ面倒なので、請求しない会社が少なくない。

 その分、財務省が儲かることになる。

 もう一つ問題なのが、たとえばトヨタ自動車がアメリカで車を売った場合、消費税をアメリカ政府に払うわけだが、その外国政府に払った分を還付請求できることで、一時、国会で問題になったのだが、マスコミは全然興味を示さず、与謝野大臣が「これはよくない」と明言したにも関わらず、その後、沙汰止みに。

 NHKのキャスターは、消費税アップの目的の第一が「財政赤字解消」であることを是認し、ギリシャ、イタリアの次に日本批判が起こるかもしれないと言っていたが、実際には日本国債は、今、世界で一番市場から信頼されて国債だ。

 「だからといって、甘えてはいけません」とか野田ドジョウはのたまい、NHKをはじめとする全マスコミもそれを支持するのだろうが、まったく冗談じゃない。

 私は、前にも言ったけれど「格差社会歓迎」なのだ。

 貧乏人でも、それなりの生活ができればいいのだ。

 新幹線は金持ちが使い、高速バスは(『真夜中のカウボーイ』が使ったように)貧乏人が使う。

 そのために、高速道路は無料にしろ。

 フードスタンプで生活をするというのは、やはりいかにもみじめなのだろうなあ、できればお世話になりたくないなあ、と想像するが、でもマスコミがだいぶ以前から言っている「セイフティーネット」というのはこういうものなのだ。

 金持ちと貧乏人は、この「セイフティーネット」的存在にリアリティ(金持ちはそれを提供する者として、貧乏人はそれを享受する者として)を感ずることにおいて、同士的関係を持つことができるような気が、何となくだが、するのだ。

 「中流」が多いと社会は安定するそうだが、そんな社会はまっぴらご免だ。

 みんながかつかつの生活をし、そのことによって「現実」と密着した生活を送ること、「貧乏は正しい」というのはそういうことなのだ。


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