パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

ポッポに期待

2009-05-16 20:05:48 | Weblog
 民主党の代表選挙をテレビで見てしまった。

 鳩山の演説が,意外によかったことに驚いた。

 昔は,「ポッポ」のあだ名がビッタリな、なんかふわふわしたイメージしかなかったが、ここ数年間、幹事長をこなしてきたことが出てきているのか。

 内容的にも、「官僚からの権力奪取」と「寛容な社会」(友愛)ということで、ウン,これなら支持すると見ていて思った。

 対する岡田は、残念ながら昔とちっとも変わっていなかった。

 目がキョロキョロしているし、言っていることもよくわからない。

 わかったことは、「官僚を叩いてばかりではいけない」だけ。

 自民党のここ1、2年の失政は,実質、「官僚の失政」だろう。

 具体的に言うと、小泉がやめる少し前あたりから、世論重視の小泉流政治を範とするような官僚の姿勢が目立ってきた。

 特に、新潟地震で一家を乗せた自動車が崖崩れの岩の下敷きになり、その救出作業をテレビ中継したことがあったけれど、あの時、いったん救出作業を中止しようとしたところが,テレビを見ていた世論の反発を受け,救出作業を再開・継続した結果、幼児が一人助かったことがあった。

 私は,あれを見ていて、官僚の行動基準が変わったのかなと思った。

 世論重視で動くということは基本的にはいいことだし、私はその時、今後の官僚の変化にちょっと期待したところもあったのだが、実際には,彼らが見る「世論」というものが、残念ながら彼らの感覚に沿ったものでしかなかった。

 それでライブドアや村上ファンドなどを皮切りに、「お金儲けのどこが悪い」という意見を、あえて言えば,岡田流の清潔さ一点張りで圧殺していった。

 昨日,銀行に,「不動産を担保にした場合、どれくらいの融資が得られるのか」と聞いたら,「個人を対象の不動産担保の融資は現在行ってません」という返事だった。

 企業向け融資も、現在は、申し出案件の中身を審査して決めるので,担保を求めるか否かははその後、決める、ということになっているらしい。

 おいおいおい、である。

 しっかりした担保があったら無条件、担保がない場合、事業内容等を審査するというのが常識的な流れだろう。

 事業計画を審査して,場合によっては担保を求める、って、それは完全に「世論」を気にした「建前」じゃないか。

 「これじゃあ、景気が回復しないわけだ」と言ってやったが、向こうは向こうで、「バカなやつにまた時間を取られた」とか思っているだろう。

 ともかく、そんな「世論重視」のあげくの果てが、インフルエンザ騒動で、患者をまるで犯罪者扱いだ。

 そんな世論はほんの一部だろうが、マスコミがしっかりしていないと、案外,そういう無茶苦茶な世論に引っ張られることがある。

 舛添は,水際作戦を「時間稼ぎだった」と説明したが、「大本営発表」じゃないかと思った。

 水際作戦にかけた金を、全部国内感染対策にあて、インフルエンザで入院治療は全額無料とか、そういう風にすべきだろう。

 大体,チフスとか、法定伝染病はそういうことになっているのじゃなかったかな?

 だったら、それに新型インフルエンザを加えればいいだけの話だ。

 メキシコで流行が拡大したのはまさに、貧乏人が病院に行くことをためらったからだというし、とりあえず、インフルエンザか否かを判断するまでのプロセスは無料ということにしないと、保険証なし家庭が膨大な数いるのだから,そこを配慮しないとヤバいだろうと、私は思うのだが…。

 まあ,そこらへんも、鳩山は工学部出身ということなので、ある程度、理論で納得すれば,その方向に動いてくれそうかな、と期待している。

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