パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

ゴーゴリからナガトモまで

2011-02-16 10:19:19 | Weblog
 ゴーゴリの「死せる魂」上下巻を読む。

 実は、二度目なのだが、最初読んだときも面白かったが、読み返して、「驚嘆すべき面白さ」に変わった。

 ロシア人のぐうたらな性格について、様々に活写しているわけだが、一度目は、それが「隔靴掻痒」だったのだろう。

 もちろん、読み返すことでそれが「隔靴掻痒」ではなく、肌身にしみてわかったなどと言うつもりはないが、ロシア人が読んだらどんなに腹を抱えて笑うだろうこと、その様子を想像することができるようになったのだ。

 実際、「死せる魂」ではないが、印刷屋の活字拾いが、渡されたゴーゴリの原稿に抱腹絶倒して仕事にならなかったという逸話がある。

 特に下巻の第一章、上巻でおなじみとなった詐欺師のチチコフが再度登場するあたり、「待ってました!」と声をかけたくなるほどだが、実はこの頃からゴーゴリは精神に異常をきたし、インチキ宗教家(霊媒師か何かか)に入れあげた結果(「因果」の順番は逆かもしれないが)、印刷屋に入れるべき原稿を自ら焼いてしまった。

 それで、わずかに残った原稿をかき集めて作ったのが「死せる魂」の下巻で、したがって、下巻の後半以降はほとんど小説としての体をなしていないので、律儀にすべてを読むことはやめたのだが、ここで、大方の日本人はこう思うかもしれない。

 「やっぱり宗教は怖い」と。

 じゃあ、日本人は無宗教なのか、無神論者の集まりなのかというと、そうではない。

 ここで、話がガラリと変わるが、最近、イギリスのBBCが、「自殺者を出した日本のアパート」の顛末についてのドキュメント番組が放送されたらしい。

 それは、極東ブログというブログで知ったのだが、要するに、血が流れたとか、そういうことではなくても、「清掃」および、「おはらい」にかかった費用とか、数年間は貸すことができないので、貸したとしたら入ったであろう家賃の何割かが、入居時に保証人になった人に請求されるわけだ。

 その金額は、高い場合は100万円以上になるらしいが、いずれにせよ、このことが取材され、放映されるということは、欧米ではそんなことはあまりないのだろう。

 ここで興味深かったのは、実は、記事に寄せられたコメントだ。それは、こう言っていた。

 「日本の宗教はアニミズムであることを世界に発信しなければならない」。

 ということは、そうすれば、日本のアニミズムが、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教等の「世界宗教」と同等のものとして理解され、認知されれば「自殺アパート」のような、ある意味「興味本位」の番組が作られることもない、というのか?

 それは、あり得ないと私は思う。

 そもそも、そんなことは、まさに岸田国士が批判した日本文化の畸形性をグローバルスタンダードとして認知させよ、と言っているようなものだが、しかし、NHKは、まさにそれを必死に推進しているのだな。

 少女たちの「かわいい」文化とか。

 「畸形性」そのものが悪いわけでは、必ずしも、ない。

 ただ「カンチガイ」は恥ずかしいし、怖い。

 ファッションについて言うならば、少女たちではなく、むしろ、日本の青年のファッションこそ、グローバルスタンダードになりうる。

 それが、就職とともにリクルートファッションに変わってしまうのは残念だが、日本の若者(男性)は、世界一おしゃれでかっこいいと思う。

 実際、ジバンシーだったか、デザイナーが、定期的に日本に来て若い男性のファッション動向をチェックしているとか言っていた。

 中田ヒデ、は、ちょっと「かっこつけすぎ」と言われたらしいが…ナガトモ…いいでないかい。

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