ツ、ツゴイ、これが沖縄県民11万人集会だ!……って、いかにも凄そうだが、昔、武田信玄の息子、勝頼が10代の若者だった頃、配下の、ベテラン将軍を集め、床に碁石をばらまいて、それが一見して幾つあると思うかと聞いたところ、将軍たちは、実際の数の3倍から5倍は多めに答えたという。勝頼は、無能の汚名を着せられているが、実は天才だったのだ。
それはともかく、上の写真はいかにも凄いのだが、11万人といったら半端な数ではない。11万人も収容できるスタジアムは世界にもほとんどないはずだ。甲子園が超満員で5万、その2倍以上だ。とてもそんなにいるようには思えないので、1センチ四方の四角を写真の上に書き、その中に何人いるか数えてみた。
上の四角は比較的人が少なく、1辺につき5人として、4×4で、16人くらい。下の四角はもっとも詰まっている場所で、1辺につき多めに見積もって8人として、8×8で、46人。
それを足して2で割ると、30人強だ。写真の大きさは25センチ×12センチだから、面積は300センチ平方。したがって、この写真に映っている人の数は、30×300で、9000人だ。周囲に映っていない人がいるだろうが、大体、8割くらい映っているとすれば、集会参加者は11000人くらいとなる。ちょうど10分の1!(実は、あちこちに空白の場所が結構あるので、本当のところ、7000人くらいではないかと思う)
もちろん、この手のプロパガンダ集会の参加者の数は、主催者は思いっきり水増しするもので、とはいえ、10倍というのは、ちょっと行き過ぎかと思うが、それはまあ、これまでもあったことだし、しょうがないとしても、これまで、こういう集会を報道する場合、主催者発表と警察調べの数を並記していたものだ。
ところが、今回はそれが一切なし! それどころか、この日刊スポーツのように、主催者発表の「11万人」が見出しになっちゃってる。
そもそも、この集会の参加者たちは、沖縄島民の自決に対する日本軍の関与を認め、教科書を元に戻せと言っているが、では、古い教科書ではどうなっていたかというと、日本軍の「命令」で自殺させられたという記述になっていたのが、その命令者として名指しされた本人が、日本軍の命令で自決したように報告すれば、恩給その他で優遇されるので、どうせ死ぬなら、そうして欲しいと住民に頼まれて、形式的な「命令」をくだしたのだと名誉回復を求めて裁判所に訴え、それが認められたので、教科書における「強制」、「命令」を改め、日本軍の「関与のもとで」と書き変えたのだ。
つまり、(一部の)沖縄県民は、「日本軍の関与」を明記せよ、と言っているのだが、実は、新しい教科書には、ちゃんと「日本軍の関与」と書いてあるのだ。何を「直す」のか? 「強制」の2文字を復活させよ、というのか? 実は、彼等は最初、そう主張していたのだが、従軍慰安婦が「狭義の強制」から「広義の強制」に言い改められたように、「強制」から「関与」に変わったわけだが……教科書は、実際は「関与」と書かれているのだ。
そういうわけで、なんとも筋の通らない話が通ってしまうことにやりきれない気持ちなのだが、今朝の産経新聞の「産経抄」というコラムで新旧教科書の記述が具体的に紹介されていたので、紹介しておく。
旧「日本軍の配った手榴弾で集団自害と殺しあいをさせ……」
新「日本軍の配った手榴弾で集団自害と殺しあいが起こった」
要するに、「殺しあいをさせた」が「殺しあいが起こった」に変わったわけだが、いずれも、「日本軍の配った手榴弾で」と書かれているので、明らかに「日本軍の関与」を否定してはいないのだ。
いずれにせよ、何を主張するにも、報道メディアたるもの、まず「事実」を踏まえよ、と言いたいのだが……。
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