パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

奈良の大仏さんを作ったの誰だ~

2010-03-10 17:30:13 | Weblog
 ずっと以前からだがどうしても言っておきたいことがある。

 それは、なんで職人風情がえらそうにふんぞり返っているのかということだ。

 米の袋に、サムイ姿の親父が腕を組みえらそうにふんぞり返った写真が印刷され、横に、「われの行く道はこれしかなし」とかでかでかと書いてある。

 小津安二郎が、「私は映画の職人に過ぎない。豆腐屋が豆腐しか作れないように、私は映画しか作れない」といったのだったが、これは謙遜して言っているのだ。

 前にも少し書いたが、職人のやることは、基本的に誰でもできることであって、それをきちんとやることが大切なのだ。

 一週間ほど前、NHKのプロフェッショナルか何かで、痛くない注射器を作った大田区の職人が紹介され、本人、これまたえらそうにそっくり返っていたが、「痛くない注射器」のアイデアはある日本の医療機器メーカーが、蚊の吸い口程度まで注射針を細くすれば、「痛くない」と言える注射器ができるのではないかと思いついたが、どうやって作るかということで、件の大田区の職人に依頼し、その職人がいろいろ試行錯誤して作り上げたのだそうだ。

 その工夫は確かに賞賛に値するが、「誰が作った」かとなると、最初のアイデアを思いついた医療機器メーカーだろう。

 それを、「大田区の職人が作った」というのは、 

 「奈良の大仏作ったの誰だ~?」

 「行基上人」

 「ぶー、残念でした。大工さんで~す」

 みたいなものだろう。

 この手の笑い話は小学校時代に散々経験したはずだが、ひょっとして、「大工さんで正解なんじゃないだろうか」と、当時から今まで、ずっと思ってきたんじゃないか?

 和歌山の大地町とか言うところのイルカ漁をとりあげたドキュメント映画がアカデミー賞をとって、日本人はみんないっせいにブーイングしているが、イルカショーを楽しんで、その一方でそれを食べちゃうという、本音と建前の使い分けが世界から日本人は狡猾、信用できないと言われているということに、日本人は何で気づかないか。

 日本人は自分で正直だと思っているが、案外そうでもない。

 世界的中国学者の宮崎市定が書いていたが、日本の骨董屋、古書店の店主は客の足元を見て、欲しい表情を見せると、決して値引きしてくれない。

 だから、かけひきで疲れてしまうが、中国の商人は逆だ。

 率直に、「欲しい」という態度を見せれば、値下げに応じてくれる。

 と、きつく反省を求めていたが、そういうことなのだ。

 一般的に言って、世界では、日本人より中国人のほうが好まれているという事実には根拠があるのだ。

 スターのだれそれさんは日本びいきで日本に何度もいらっしてますとかテレビで紹介されると、なんだか、恥ずかしくなる。

 勝手に決めるなよ~。

 ちなみに、イルカは鯨の一種です。

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1 コメント

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ナショナリズム ((V)o¥o(V))
2010-03-10 20:44:22
   こんばんはお元気ですか!?   まだ寒いですね~ 私の元彼など近しい人間は以前、警備業務に携わっており、現場の在り方そのものが問題だと言っていました。現場では監督や職人さん達が圧倒的な支配者(失礼!)もとい管理人な訳で、所属の異なる会社の方々は神経をすり減らして大変ですよね。もっと権利や地位が見直されてしかるべきですよね。私は以前、中国に旅行に行った時(私は残念ながら、、中国語ができません!)お釣りを貰う段になって英語ができないふりをされて仕舞い、、、友人が広東語で怒鳴ったら、お店の人々が店を畳み出した(笑)ことがありました。情けない日本人でして、、免税店に同じものが置いてあり、友人が「それとこれ、違う!」と言うから「いや、こっち(露店で買った)の方が安かったから、いいんだよ」と。気弱で嫌になりますね
こんな日本人もおますでわでわ
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