パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

ウィニ-使ってネタ探し

2006-04-04 13:47:26 | Weblog
 今日のサンケイ新聞、「断」というコラムに、『パソコンソフト「ウィニ-」を介して感染するコンピューターウィルスによる機密情報漏洩事件をリードしているのは一貫して毎日新聞であるが、その報道内容からすると、毎日新聞自身がウィニーを使って漏洩情報を探し、そのネタを漏洩元にぶつけて記事化しているとしか思えない。』とあった。えええ? いや、びっくりだ。

 コラムの著者は佐々木俊尚という「ジャーナリスト」だが、彼によると、ウィニーのデータは、ウィニーを使う無数の個人ユーザーのパソコン上に散らばっているが、その情報は、参照するユーザーがいる限りは残り続けるが、「参照者がいなくなると数週間でネットワーク上から消える」のだそうだ。もちろん、匿名掲示板、たとえば2chなどに情報がいったん掲載された場合は、インターネット上に残り続けることになるだろうが、多くは、人知れず漏洩して、誰にも知られぬまま消えていくはずで、――きわめて微妙な問題ではあるが――それらをわざわざ報道するのは「寝た子を起こす」行為と言えなくもない、と書いている。

 なるほどね。情報が漏れたということは、誰かがその情報をキャッチしたはずだが、そのキャッチした人がそれを使って何かをしようとした形跡は(ニュースを読む限り)どこにもないので、非常に不思議だと思っていたのだが、そういうことだったのか! 
 たしかに「極めて微妙な問題」だが、毎日新聞は、これを「事件化」すべきではなく、「問題提起」として報道すべきだっただろう。

 あえて言うのだけれど、これは、姉歯の妻の自殺という悲劇まで生んだ、「マンション強度偽造事件」にも言えるのではないか。ヒュ-ザ-の社長は、「地震が起きて死者が出たら対処すればいいじゃないか」といったらしいが、「実際問題」としては、それも「あり」ではある。
 もちろん、姉歯事件の場合は、建築基準法の違反という、れっきとした「犯罪」でもあるのだけれど、だとしたら、それはそれで処理すればいい問題で、マスコミは、建築基準法の「基準」は安全値を数倍に見込んでいるから、違反したからすぐ壊れるわけじゃない、ということを、事件の一面として報道すべきだろう。そのためにも、「姉歯物件」がこれまでどのくらいの地震に見舞われてきたかを実地検証すべきだと前から言っているのだが、マスコミのバカは、大学の研究室で模型を揺らして見せたりするだけ。まるでバラエティー番組の「乗り」だ。そして、その結果、まさに「寝た子は起こさない」態度で処理しようとしているのがみえみえだが、姉歯の妻の自殺という悲劇を引き起こしてしまった。
 え? そんなことはない、って……? だったら聞くが、マンション模型の破壊「実験」で、模型が壊れなかったら報道しただろうか? しないに決まっている。

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