パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

マスコミったら…

2006-02-09 11:46:13 | Weblog
 昨年からずっと続いている傾向だが、「反小泉・安部」で、右と左が手を繋ぎたがっている。はしたないことに、「政策」抜きで。
 今回の皇室典範改正問題など典型的で、テレビ朝日のけさのモーニングショーでは、国会の会議中に「秋篠宮妃御懐妊」の一報を秘書官から受けた小泉首相が「えっ!?」と驚いた顔をした一瞬のテレビ画像を何度も何度も流し、その奥にいた安部官房長官が冷静な顔をしていたことと比較して、実は安部官房長官は、このとき既に知っていて、首相に知らせていなかったのではないかと、しきりに安部・小泉の仲を裂きたがっていた。
 これには、さすがに三反園政治担当レポーターも、官房長官が首相に情報をあげないということは絶対にあり得ないと断言していたが、司会者は、「その、あり得ないことが起こったのでは」と言いたげであった。
 しかし、真相はというと、流されたテレビ画像には音が入っていなかったが、小泉首相は秘書官が差し出したメモを読んでいるとき、質問者が、「首相! 何をしてるんですか、私の質問に答えて下さい」といった(正確には覚えていないが)発言をし、それを聞いて、「えっ!? な、なに?」といった顔になったのだ。
 実は私も、最初にニュースを見たとき、メモを見せられたときの小泉のびっくり顔に、「小泉は何も知らなかったのだな」と思ったのだが、別の局で再度同じ画像を見たら、「御懐妊」のメモに驚いたことは驚いたのだろうが、ちょっと異常な「びっくり顔」は、「首相、こっち向いて!」という質問者の声に反応したのだということに気づいたのだ。画像ぼろぼろのちっちゃな12インチのおんぼろテレビだってわかるんだから、テレビ局が気づかないでどうする。

 ところで、このとき、ゲストコメンテイターらしき見城ミエコ(愛称、ケンケン。誰も知らないだろうな)が、「なんで男性は、紀子様が妊娠される可能性のあることに気づかなかったのでしょう」と言っていたが、そんなことぐらい、わかっている。ただ、諸般の情勢から鑑みて、ここまで、端的、というか大胆な「行動」に秋篠宮が出るとは思っていなかったということなのだ。また、それを指摘してしまうと、兄弟の皇位を巡る抗争に、まさに「火に油を」注ぐことにもなりかねず、とても言い出せないことでもある。女はこれだからなー、と、つい思ってしまったケンケンの発言だった。

 ということで、問題は、皇太子殿下がどのように考えているかなのだが、誰もコメントを求めない。それはまさに、上記の事柄があるからだ。しかし、殿下の誕生日が刻々と近付いている。そのときには恒例の記者会見が開かれ、どうしたってこの問題についての感想を求められるだろうから、たぶん、そのときにどのように答えたらよいか、皇太子殿下は東宮御所の奥でただひとり、沈思黙考されているのだと拝察する。

 マンション強度偽装事件、姉歯物件以外にも表面化してきたようだが、住友不動産のチラシ配付で目立ったのが、「一級建築士」の事務所。一様に、「一級建築士」の看板をでかでかとかかげ、権威を強調するような建物が多い。自宅兼の事務所なんかに、とくにその傾向が強い。新宿近辺だけで即断はできないけれど、「一級建築士」という肩書きは、社会的にはずいぶん大きいのだなと改めて思った。
 ところで、その強度不足を指摘されたホテル、マンションは全国に相当数あるわけだが、それらがどの程度の地震を経験しているのか、マスコミのどこも調べている形跡がないのはどういうわけか。ビルの完成した年、建っている場所、それに地震記録の三つをつき合わせ、「やばい」と思われるビルを実地調査すればいいではないの。大学の研究室にビルの模型を作らせてゆさゆさ揺さぶるよりも。
 というのは、土木工学学会とか、機械工学学会などでは、それぞれどのような強度がよいか、基準値を定めているが、最低限必要と思われる数値より大分上乗せしている。建築基準法の場合、どうなっているかわからないけれど、同じく、かなり上乗せしているはずだ。人の命に関わることなので、当然とも言えるのだけれど、これに、日本人独特の「法意識」がからんでくると、ちょっとややこしくなる。
 たとえば、単純な話、高速道路の制限速度は80キロだ。しかし、実際には、みんな百キロオーバーで走っている。東名高速を80キロで走ったらかえって危ない。じゃあ、実態に合わせて制限速度を百キロにすればいい(もしかしたら、すでにそうなっているかも知れないが)はずだが、取り締まりにあたる警察の本音は、「制限速度をもうけたって、どうせ、守られないんだから、できるだけ低く設定することで、心理的に牽制し、全体の速度をおさえるほうがよい」といったところだろう。実際、日本の高速道路における事故件数が諸外国に比べて高いという話は聞いたことがないから、警察の「牽制作戦」は成功しているのかも知れない。あるいは、「牽制」とは別の要素で事故数が低く押さえられているのかもしれない。いずれともわからないのだが、どっちにせよ、もっとも身近な法規制である「最高速度制限」の曖昧な基準が日本人の法意識を歪め、それが無為意識のうちに「一級建築士」の遵法精神にも影響を与えているかもしれない。

 「ややこしい」と書いたけれど、それほど「ややこしい」話ではない。建築基準法の「基準」を下げろという話でもない。たぶん、「最低値」の4、5倍を設定しているのだと思うが、これは、そこに人が「住む」ことを考えれば、当然のことで、4、5倍もいらないから2倍にしておこう、といったことは許されない。しかし、建築基準法の「基準」を下回ったら、即、崩壊するという話ではない。(もっとも、「2倍」だと、直感的にだが、かなりやばい気がする。立地条件が悪いと「2倍」くらいではとても持たないかも知れないとか)
 いずれにせよ、そういった問題は、実際に違法建築がどの程度の地震を経験しているか、それによるダメージはどれくらいかを実地調査することでかなり明らかになるはずだ。

 賃貸マンションやホテルの場合は話は簡単だ。部屋を移るなり、ホテルなら営業を中止すればよい。しかし、分譲マンションの場合は難しい。今も、大半の住民が、地震の度に肝を冷やしながら住み続けていることだろう。ところが、マスコミは、こういった、やむを得ず住んでいる住人たちの危機感をやたらに煽ってばかりだ。もちろん、視聴率や新聞の売り上げ増を狙って。
 マスゴミと言われるのも、むべなるかな。

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1 コメント

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昭和天皇にも。 (うさぴょん)
2006-02-11 08:53:26
2/26の時に弟宮との確執があったみたいだそうですね。

若輩そこまで考え及びませんでしたが、確かにそうなので、次の皇太子コメントは楽しみになりました☆

可能\性があるからこそ、バースコントロールというものがあるんだからって、やはり想定内想定外サプライズは秋篠宮の確信犯ですか。

昭和天皇のDNAを感じます(笑)。

その他、今回とっても同意。

マスゴミなマスコミだから、見る方に責任が重いと思いますが。

これ↑言うと、左と言うとイヤがる、しかしその思想はどう見ても左にしか見えない知人は大変と憤慨します。

しかし、「メディア(マスコミ)は大衆を啓蒙すべし」で「言論は権威」なのはもういい加減に、ジャーナリズムな現場でもちゃんとプロフェショナルなら、すでに過去形なんじゃないかと・・・。
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